『姑獲鳥の夏』 京極夏彦
え、今回は、小説じゃないんです。
DVDっす~。
『鋼の錬金術師』の映画のDVDが欲しいな~と思ってお店を覘いた見たら。
あったんですわ~、これが。
『ハガレン』もあったんですけどね。そちらには、「自分にお預け」くらわせてしまいました。
『姑獲鳥の夏』の映画、絶対に見に行こう…と思っていたのに。
いつも行っているシネコンで上映されていなくて。
他にもたくさん見たいのがあったんですよね~、去年の夏は。
『ポケモン』見て、『宇宙戦争』見て、『容疑者室井慎二』を見て…。
他にもなんかあったかな?
ともかく、DVDを待とう、と思っていたのに、発売されてしばらく経って、偶然見つけるまで忘れておりました(汗)。
キャストが発表された時に、これは、イメージを裏切るものが出来るはずはない、と思いました。
ちょっと意外だったのか、木場修の体格かな? 少なくとも京極堂より背が高くてがっちり系だと思っていたので、宮迫は、予想外。
でも、役者としての宮迫、結構好きなのでいいや(笑)。
大沢在昌、宮部みゆき、京極夏彦の所属する大沢事務所のサイト、『大極宮』で紹介されていた、撮影風景のリポートで、あの「眩暈坂」がセットだということは判っていたけど、いや~、見事に眩暈坂!
『どこまでもだらだらとしていい加減な傾斜で続いている』坂道って、一体どんなものなんだろう。途中で眩暈が起こるような坂なんですよ。
…この坂だったら、眩暈を起こすのも頷ける、そんな不吉さもかもし出してくれている。
でも、ちょっと、古本屋が小奇麗過ぎたかも(笑)。本も、もっと一杯いっぱいまでつみあがっている、埃くささと薄暗さをイメージしていたんだけどな~。
…あれなら、うちよりきれいだわ(笑)。
で、不安だったのが、「この内容を、二時間にまとめられるか」ってことに尽きるわけで。
「蝉しぐれ」のテレビドラマを見た後に、映画を見に行って、映画の画像の美しさは堪能したんだけど、やはり、時間に追い立てられるような展開が惜しく感じました。
『姑獲鳥』は、映像に、「あと一秒余韻が欲しい」と思うようなカットはなくて、その点は良かったんだけど。
上手く、まとめてありましたし。
たとえば、京極堂の愛読書。妖怪についてまとめられた本も、彼の長広舌の中で取り出されるのではなく、始めに、怪しい男とすれ違っていきなりその本が出てきたりする。
その、原作には登場しない男の存在も、「無駄」ではなく、話をまとめるための配置になっているし。
しかも、驚くような「隠し設定」つきだもんなあ…。
「やられた~」とうなってしまいましたよ。
久遠寺医院の廃墟のような部分は、空襲でやられたものが放置されている…という説明は無かったよな?
なくてもいいと思うのは、思い切り潔く切り捨てられていたようです。
冒頭の、たずねてきた関口に、脳についての講釈をたれまくる京極堂は、「こうでこそ♪」なわけだけど、原作の台詞のエキスしか残っていないのに、ちゃんと、京極堂が弁舌で関口を云いくるめるというか、煙に巻いている感は満載だわ~。
でも、そうやって、極限までまとめられていても、やっぱり、原作を読んでいなければ、理解しきれない部分があったのでは…?と感じてしまいました。
それが、予測は出来ていて、やっぱり乗り越えられなかった部分…かと。
『姑獲鳥』でこうなら、『狂骨』とか『鉄鼠』なんて、映像化不可能ではないですか…。
それはとっても惜しいと思うんですよね~、あの配役をした以上。
それと、あの、ライトを様々に使ったりした、『効果』。
舞台的な演出…なんでしょうね。
あれを面白いと感じるか、うるさいと感じるか、不自然と感じるか…。
私には、少し難しい境界線…かな?
キャストがすごいんだから、あの役者たちに、思い切り演じ切らせればよかったのでは…?
小手先で不気味感を出していたような気がしてしまっては、逆効果かも。
で、ここからは、映像化でのネタばれな話で、これからDVDを見る、とか、テレビ放送を心待ちにしているという方は、読まないでください。
京極夏彦が、どこかに出ているというのは、そして、それが可成変わっている役柄だ…というのは、『大極宮』でも紹介されていましたから、それも楽しみだったんだけど。
どの役か、判らなかった…。
そんなにちょい、だったの?と思っていたら、エンドロールであきれました。
例の、原作には登場しない男。
「片腕の傷痍復員兵」で、「古本屋の常連」。で、顔つきもまさしく、「これは、水木しげる氏をイメージしたキャラです」と堂々と主張している、あの、映画オリジナルのキャラ。
…京極氏だったんです。
判らなかった~。顔も大きく写っていたのに。台詞だってあったのに。
まあ、もともと「レインボーボイス」と定評のある京極氏の演技力ですから(なんで、作家の『演技力』を知っているかと云うと、「推理作家協会」の50周年記念の劇と、大沢事務所の自作朗読会の第一回分のテレビ放送と、「ケゲゲの鬼太郎」ゲスト出演などでうならされているんですよ、本当に)。
水木氏の特徴を捉えて演じるのもお見事。
しかし、あの、顔ですよ、顔。
私は、「よく、水木氏の若い頃はこうだろうなあ…と思う役者を探してきたなあ」と思ったあれが、京極氏?!
…目は、だまされるのね~。
ちょっと顔の輪郭が違うかな~と思ってしまう部分は、帽子で誤魔化したわけね。参りました。
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