2008年2月 9日 (土)

『となりの801ちゃん』  小島アジコ

『となりの801ちゃん』  小島アジコ  宙出版 06/12刊

 ネットで評判のサイト、ブログが出版。
最近、そんな本が目立つし、ついつい買ってしまう…。
本になる以前に評価が集まっているということですし。
しかも、その評価って、『一部の趣味の人』に偏ったりしている(笑)。
自分の趣味がそこにはまっていたら、手を出してみるのが本読みのサガ、というものでございましょう。

 帯が挑発的ですね。

『アイラブ腐女子』

 この言葉の意味が判らない人は、手を出さないほうが身のため、な一冊(笑)。

 「腐女子」というジャンルと云うか人種を愛しているのではなく、たまたま付き合った彼女が「腐女子」という属性を備えていた、ということで。

 …普通の男性だったら、これほどの『苦労』はなかったのでは、と思うんですけど、たまたまこの人は、「オタク」だった。
腐女子についての知識はあったし、彼女もついつい本性を現してしまって(笑)。

 腐女子モード全開状態の彼女に振り回されるおたく青年の悲哀の、渾身のリポート…と読めなくもない(笑)。

 筆者の感覚、判りますね~。
私も筋金入りのオタクですが、かけらも腐女子の要素を持ち合わせておりません。

それでも、『キャプテン翼』にはまって(サッカーファンの方面から入った人間です)同人誌買いまくっていた過去がありますので、なるべく排除しようと思っても、自然とやおい関連のものが含まれて、目にしなきゃいけなかったわけで。

「やおい要素さえなければなあ…」と思いながら読んでいた、ものすごく面白い小説もあったまなあ…。

 だから、「801ちゃん」という存在が、どういうものかは判るけど、その生態の奥深くは、覗こうとしてもできなかった…。いや、覗きたくなかった(笑)。

 否応なしに「腐女子ワールド」に巻き込まれている筆者のご苦労を、他人事として、存分に楽しませていただきました(笑)。

 …いや、私も昔、頼み込まれて聖矢でやおい小説、書いたことあるのよ~(笑)。
でも、ぎりぎりまで追い詰めて、精神のバランスを破綻させるくらいにまでしないと、主人公にその領域に踏み込ませられなかったんです。
が、参加した本に載せられていたほかの方の作品は、まずやおいありき、で、そういう生態なキャラであるということはすでに『前提条件』のような話で、とてもではないけど、私の達することのできる境地ではありません、と尻尾を巻くしかありませんでございました~~。

 あ、『となりの801ちゃん』の、モトとなったのは、京都の、全長800メートルの商店街のマスコットキャラだそうです。
800に、未来への発展の意味をこめて、『801』。
…そこの商店街の方々のも精神の健全さの証明のような名前ですな(笑)。

そのキャラが、ネットで評判になり、この本の筆者がそれに目をつけて、自分の腐女子彼女の『中身』が801ちゃんで、いつもは普通の女の子の『着ぐるみ』っつーか、『擬体』を装着している、という設定で描いた四コママンガがこの本なんですが…。

 私が、そういう「数奇ないきさつ」の中で一番インパクトを受けたのは、実物の『801ちゃん』のあまりのグロテスクさと、それを採用した商店街の皆さんの太っ腹さでございます。
…やおいの存在を知らなかったことなんて可愛いもんだと云い切れる、「趣味を疑うぜ、あんたら~!(笑)」状態。

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2008年1月 7日 (月)

『今日の早川さん』

『今日の早川さん』  COCO   早川書房  07/9

  そーか、早川書房刊、か。今、会社チェックして気がついた。他の出版社だと収まり悪いかもね~(笑)。

 格別、絵が上手いとか、面白いとか、爆笑できる…って内容ではないんですけどね。

 帯にある『本が大好き!』という文句どおりの内容で。
最近良くある、ネット上で公開されていたものが、好評を得て出版…だそーで。
先日、そのブログを見てみたら、第二弾も決まったとか。好評なんでしょうね。

 オタクと評していいほどの本好きの女の子たちの日常、という形の4コママンガですが、本が好きな人間なら、誰もが身につまされる、「あるある」とつぶやいてしまう、己の姿を見ているようで頭を抱えたくなる、そんな内容です(笑)。

 早川さん、は早川量子。つまり、SF小説おたく、という記号ですね。
岩波文子、とか、富士見延流とか、国生寛子、とか。

キャラの名前からどのジャンルファンかはっきりしているのが面白いんだけど、どうしてホラーマニアが『帆掛 舟』なんだろうと思っていたら、息子がネットで調べて判りました。
創元社のホラー文庫のマークだと。
創元社って、推理文庫しか買っていないからしらね~よ~(笑)。

 息子がライトノベルファンで、ここで描かれている他のジャンルファンとラノベ少女との関係は、まったくうちでも展開されている光景で、思わず息子に読ませました(笑)


「まだそんなもん読んでるの~」と云われまくる富士見さんの姿は、本当に、自分と重なってしまうようで、なんか、そのページだけ見せたのに、読みふけってました(笑)。
ただ、あんたは、他ジャンル読みから奨められても絶対に読まないけどな。

 でも、どうして推理小説マニアが出ていないの? このジャンルは、一般読者との境が微妙だから?
それとも、印象的なキャラネーミングが出来ないから? 代表的なとこで云えば、講談社ノベルズかなあ。…そりゃ、苗字にしにくいか(笑)。

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2007年12月23日 (日)

『11人いる!』 萩尾望都

 小学館 Flower Comix Special 萩尾望都Perfect Serection 3  07/8

 もう、内容の紹介なんか必要ないくらい、少女マンガ界のSFとしては、竹宮さんの『地球へ…』とともにそびえ立つ金字塔ではないかと。

 もちろん、初めて買ったわけではありません。というか、四冊目です。いや、四種類。
あ、そーいえば、初出の雑誌も、この部分だけ残してあります。ええ、本を分解して(笑)。

あー、その雑誌本、友人から郷ひろみのシングルレコードと交換してもらったんだわ~、なんて、懐かしすぎる記憶まで蘇ってきたぞっっ!(笑)

 最初の文庫。アニメ化の時のB5版。「スペースストリート」も収録された《新編集版》の'94年の文庫。
今回のは、スペースストリートつきの、カラーページも再現版で、これが『完全版』になるのではないかと。
残念ながら、作品集の第一期の方は買わなかったので、『11人いる!』のコンプリートではないんですが。

この作品って、普通のフラワーコミックスにはなっていないんですよね、確か。

それって、昭和五十年前後の少女マンガと云う世界におけるSFジャンルの位置づけ、みたいな気がする。
…ノーマル扱いではない、というか(笑)。

 この作品は、アニメ界におけるヤマト、みたいな位置ではないか…と常々思っております。

この『11人いる!』と、これに先行する『あそび玉』がなければ、少女マンガにSFは定着しなかった…と。
『地球へ…』ももちろんすごい作品だけど、掲載誌が少年誌だったから、『立場』は少し違うし。

ヤマトも、続編の完成度はともかくもパート1がなければ、今のアニメ界の活況はなかったのではないかと。いや、パワーがたまって、いつかは別の作品がその立場になったでしょうけど、あのタイミングでヤマトがなかったら、ガンダムも随分遅れたでしょうし。

ヤマトにはいつまでもずるずると腐れ縁を引きずり続けているという苦笑気味の自己分析ですが、『11人いる!』にも三十年以上執着しているけどこれは、もう、「見捨てられない」などという苦笑気味の関係ではなく、三十年を経てもなお輝きを失っていない作品のパワーにひれ伏しておるのでございます。今回も、すでに三回読み返してしまいました。

 同時収録の続編『東の地平 西の永遠』の中の、王さまを送って危険を承知でアリトスカへ行くが君は残れというタダに、泣きながら頬をはりとばすフロルが、結局は「お前が甘いのちゃんと知ってるもん」となし崩しに同行を勝ち取るエピソードがすごくすごく、ものすごーく気に入っておるのでございます。
『さらば宇宙戦艦ヤマト』や『ヤマト2』での古代とユキの「退艦しろ」シーンと比して、「…殴るとこだけ除いて『11人』の方が、スピード感あっていいよなあ…」とさえ(笑)。

 郷ひろみとかヤマトとか、古臭い名前が出てきてしまうのは、やっぱり、この作品の年代が自然とそうさせるのではないかと思いますが(現役でヤマトの同人サイト作っている人間だから、古臭い=悪い、ではございませんが)、『11人いる!』は、郷ひろみのように当時と全く違うスタンスで芸能界に生き残っていたり、ヤマトのように「昔の名前で懐かしグッズ商法」に走るわけでもなく、そのままの形で、充分に今も鑑賞に堪えうるものではないかと。

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2007年11月11日 (日)

『ぼく、オタリーマン。2』 よしたに

ぼく、オタリーマン。2』 よしたに  中央出版 2007/9

 一巻が出たとき、地味~な本だと思っていたのに。
なんか、新聞見ていると好調な売れ行きの様子。
そのうち、田舎の本屋でも平積みされたり。

 そーか~、第二弾まで出るのか~。
『愛されて、50万部』ですって、まー。
おたくもやるもんだね。
『めざましテレビ』や『バリバリバリュー』とかに出たりもしちゃったそーで。
ん~、実物がどんなのか、拝見したかったかも。

 こんなに売れても調子こいてマンガ一本の生活にはならないというあたりが、謙虚…と見るのは当たらない気がする。
だって、現実のサラリーマン生活のどたばたをネタにしている人なんだから、それを辞めてしまったら自分の想像力だけで描いていくことになる…。それは難しいかも。
と見てしまうタイプの、『おたくが現実世界でがんばってます』というマンガでございますが、別に、おたくでなくとも、仕事をしている人ならどこかに共感できる部分があるから、支持されているんだろうなあ…と思います。

 息子が旅行に出る前に、友人に、「うちの母親が読んでいる」とこの本のことを話していたら、友人、出発前に二冊とも買ったんですって~。
なんなんすか、それって。
おたくな母親が読むもの参考にしちゃいかんよ~。
ってか、これって、売り上げ貢献?

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2007年10月 7日 (日)

『長い道』 こうの史代

『長い道』 こうの史代 双葉社刊 2005/8/28

 「第九回手塚治虫文化賞新生賞」や「第八回文化庁メディア芸術祭大賞」なんてものを受賞した『夕凪の街 桜の国』は映画化もされ、すごくいい作品だということにまったく疑いの余地もないんですけど。

 しかし、この、『長い道』を読むと、「…こうの史代って、こういう人なんだ…」と感心させられるはめになります。

 『夕凪』の方も、判りやすい原爆の話では決してなかったし。
その日の惨状とか、生々しいものではなく、十年後、そして現在の広島を淡々と描いている感じで。

 しかし、この『長い道』には、なんとゆーか、毒っぽいものがあります。
いや、ちょっとした苦味、かな。

 夫婦なのに、愛情から始まっていない。
とゆーか、飲み屋で知り合ったオヤジ同士が、「やる」「もらう」で結婚するってなんなんすか(笑)。

 旦那の方は、嫁は家政婦がわりの意識しかなく、女好き。でも、道(奥さんの名)さんにはばれないようにあがいたりする。

 奥さんの方は、小さい頃からぼーっとしていて人から頼られたりしたことなかったのでうれしかった、なんて云って、のほほんと、なんとなく居座って、貧乏生活なのに楽しんでいる気配もある、もしかして大物?(笑)

 決して、心温まるおはなしではありません!(笑)
 でも、こういう『偽物のおかしな恋(作者あとがき)』があったりしたら、面白いだろうなあ…とは思います。

 ええ、近所で眺めている分には(笑)。

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2007年2月10日 (土)

『ほしのこえ』 原作・新海誠 漫画・佐原ミズ

『ほしのこえ』 原作・新海誠 漫画・佐原ミズ アフタヌーンKC 2005/2

 タイトルでピンと来た人は、可成のアニメ通…ってことになるのかな?
確か、コンテストか何かで評価された、若いクリエイターの20数分の作品ですから。この、『原作』の新海さんの。
でも、可成評判になったから、知っている人も多いのかも。
こうしてマンガ化されたくらいだし。

 普通の漫画とアニメの関係の、逆バージョンですね。アニメが先行して、それを下敷きにマンガ化されるというのは。

 漫画原作に思い入れのある場合、なかなかそのアニメに納得できないこともあったし(特に少女マンガの絵柄をアニメで表現するのは難しいのだろう…と、自分に言い聞かせながら見ていた『キャンディ・キャンディ』とか)、逆に、「アニメの方が絵がきれいじゃん、話がまとまってるじゃん」ということもあろうかと…。

 で、この漫画の場合。
それほど激しく『原作アニメ』に思い入れがあるわけではないので、その話の膨らませ方(もとの話が短いですからね。コミックス一冊分に長さにしようとすれば、色々と描きこむ必要があるわけで)が、すごくいいなあ…と思ってしまいました。
『ストーリーを重視』する人には、漫画の方がおすすめなのかも。

 火星で見つかった異星人の遺跡を調査し、その痕跡を追いかけるプロジェクトに放り込まれてしまった女の子と、地球でメールのやり取りをする男の子の話。とまとめてしまったら情緒もへったくれもないんですけど。

 きれいに、コンパクトにまとめられたアニメを見ていた時に感じていた、「この女の子は、何故に制服で戦闘をしているのだ」というやや不快な疑問(パンチラを期待させるミニスカートで戦う少女ものに通ずる意図があるような気配がするではありませぬか)に、地球とのつながりを感じるアイテムを身に着けていたい少女たちのム感傷というものを描いて、なんとなく答えてくれている、さりげない漫画の展開が好きです♪

アニメだと、メールを待つ男の子の日常はわりと描かれているんだけど、宇宙に出てしまった女の子の方は、ロボットのコクピット内しか見当たらない、自分の部屋の描写すらないのが、わざとそういう演出をしているのだろうけど違和感もあったんです。
こちらの方は同僚や先輩との交流や別れを描いて、より、孤独感を出しているように感じます。

 ラストも、漫画の方が好きだなあ…と云ってしまったら、アニメのファンの人に怒られるかも知れないけど。
異星人が、後進の地球人類を導いている…とはっきり云わせてしまうより、相互理解の糸口のようなものが見つかっただけ、という漫画の方が、自分の好みに合いました。これも、アニメの『時間の制約』のせいなのでしょうけど。

 息子が見たいといっていたので、録画テープを見せてみたら、「『ほしのこえ』を『スーパーロボット大戦』に入れて欲しいという声が理解できた。ロボットのコンセプトとか作品の世界観とか」
…そんな感心の仕方ですか? 
この、究極の遠距離恋愛の切なさとかどこへ行った?
しかも、他の作品と混ぜたにら、この、『届くまでに数年かかるメール』の価値がなくなるでしょーが!!(怒)

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2007年1月 7日 (日)

『交響詩篇エウレカセブン』

『交響詩篇エウレカセブン』 原作・BONES 漫画・片岡人生、近藤一馬 

角川コミックエース

 最近、バラエティ番組や、ワイドショー、ニュース番組などで、威勢のいいシーンのBGMとして、やたらとエウレカの劇伴を聴く機会があります。

一昔前なら、『宇宙戦艦ヤマト』、少し前なら『GOOD LUCK!!』の曲が似合っていたような、まさしく「発進!」な感じの曲。
これが聴きたくて、レコード店で探したら、サントラ集の第二弾しかなくて、それも買って、ネットでひとつめの方も買って、連日聞きまくってます。

で、そのアルバム聴いて、「あ~、やっぱり私、テクノとかハウス系、好きだわ~」と、そっちの音楽方面にも踏み入れそうな気配…。ユーロビートまではちょっと辿り着かないけど。

 アニメが終了してそろそろ一年経つというのに、今頃、じんわりとはまりなおしているのかも。
スカパーでの土曜の放送も楽しみにしております。

 で、そんな日々に、雑誌に連載されていた漫画の最終巻が出たんですよ。

うきゃ~、アニメよりもこっちのエンディングの方が好きかも~~♪

エヴァやガンダムをキャラ設定担当者がマンガ化していて、「お、こっちの方が面白いかも」と思ったことはあったけど。
あれは、それなりに作品世界に深く関わったベテランクリエーターが、原作ストーリーを重視しつつも独自の解釈で描き出している部分が、自分の肌にしっくりあったりしていたんですけど。

エウレカの場合、アニメに関わったわけでもない、割と新人さんが、アニメと同時進行で描き進めていったようで。

しかも、設定の根幹は残してあるし、エピソードも拾ってはいるけど、もはや別ストーリーと云えるシロモノに変身しております。
それは、可成のプレッシャーではないですかいな。結構人気が出たアニメの話を、新人がいじるとは。

 同様のことは、『ラーゼフォン』でもやっていたけど…わたしゃ、あれはいただけなかった。
あの『オリジナルストーリー』は、アニメと違う話を展開する価値があるものとは到底…。

 エウレカの場合、アニメの後半、間延びしてだれてしまった感のある部分を、ぎゅーっと凝縮して(これは、漫画だから、後追いしなければいけないくらいのペースの差があったでしょうし)、スピーディでとてもよろしい♪

 …しかし、レントン、痛そうだなあ…。いや、レントンだけじゃないか、漫画の方は、負傷率がアニメよりもはるかに高い。
ん? これが『漫画支持』気分の根底にあるのか?(笑)

 ラストシーン、アニメでは子供たちやレントンのおじいさんが待っていたけど、漫画では、レントンがエウレカを待っていて、「おかえり」と云えたのが、うれしい『違い』でした。

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2006年10月14日 (土)

『チムニーズ館の秘密』 榛野なな恵

『チムニーズ館の秘密』 榛野なな恵 原作:アガサ・クリスティー クーンズコミックス 06/9/24発行

 『Papa told me』で有名な榛野さんが、何故クリスティ…?
本屋で、目を惹かれましたね~、これは。

有名な、と書きましたが、自分でそれを承知しているのではなく、聞き及んでいるだけです。
少し前にドラマ化されて興味を持って、去年くらいに、初めて、『完全版Papa told me』という、全三巻のベストセレクションものを読んだだけで。
ほんわかムードの中にぴりっとしたものがあって、いい感じ~。
で、しっかりした少女と父親の交流を淡々と描くこの人が、どーしてアガサ・クリスティーなんだ~~?とはてなマークが渦巻きました。

 読んでみたら、クリスティワールドがすっごくおしゃれでハーレクイン化してしてる~(笑)。

 三篇が収められていますが、『チムニーズ館の秘密』『追憶のローズマリー(原題・忘られぬ死)』『ソルトクリークの秘密の夏(原題・ゼロ時間へ)』のうち、『忘られぬ死』しか原作小説持っていなかったわ~。
八十数冊のクリスティー作品のうち、六十数冊持っているのに…。
仕方ないか。私は、「長編」「シリーズ物」好きな性質で、ポアロとミス・マープルを中心にそろえていったから。
この二人が主人公の作品は、ほとんど買ったと思うけど、ひととーりそろえたら他の作品に手を出す気力がなくなっていた…ってパターンです(笑)。

 しかし、『忘られぬ』って、ワープロ・パソコン泣かせな文字ですね。
『忘れられぬ』と打ってから、『れ』をひとつ削除しなくては。
でも、これって、最近はやりの『日本語の乱れ』っぽくはないですよね。
『ドリフのズンドコ節』でも、「わすらりょか」という歌詞がありましたし、他にも古い歌とか小説で見たような気がしますし、昔の言い回しではないかと。

 ポアロやマープルと云った大御所を持ってこないあたりが、榛野さんのスタンスをうかがえて面白いです。
定番のキャラを出した方が、楽に話を展開させられるだろうに、それをさけてわざわざマイナー作品に取り組んでいる…とさえ思える。
アニメにさえなっているし、手垢のついたものは嫌だったのかな~?

 でも、ざる頭な私が、二十年位前に一度読んだきりの『忘られぬ死』の内容を可成覚えていたのは、本来出ていないはずのポアロを組み込んでドラマ化していたのを見ていたからなんですよね。
NHKでよく放送していたポアロのドラマ、随分枠をはみ出してと云うか、越えていましたよね~。
『ソルトクリークの秘密の夏』の方も、トリックになんとなく覚えがあるんだけど、それは、似たようなトリックの別の作品と混同しているのか、これもドラマ化されていたのか…?

 半世紀以上前のイギリスを舞台にした作品ですから、原作小説も、それをドラマ化したものも、イメージは白黒なんですよね。濃いグレイが基調になっているような。ドラマの画面は、町並みは灰色っぽくて、家屋の中は黒と云うか、光が届ききらないような。だけど、ポアロのマンションはモダンだったなあ。
そーいう流行もあったんだから、もっとモダンな印象もあってしかるべきなんだけど、なんだか、灰色っぽくてねえ。

転じて、この榛野作品。
画風がそうなんだけど、明るいですね~。べたが少なくて、くどく描き込んだりしないという画面から受ける印象以上に。
それは、この人が、心理描写の背景を描かないせいだろうと思うんです。

少女マンガでは、当然の手法なんですけどね。
登場人物たちの感情にあわせて、バックに花が舞い、点描が飛ぶ。最近はスクリーントーンの柄がすごくなってきていますから、キャラたちの感情は噴出し放題(笑)。

だけど、榛野さんは、ほんの少しの例外を除いて、ほとんどのコマには、現実の景色が描かれているんですよね。舞台とかドラマを見ているようです。
絵の印象も淡白なんで、ぐわ~っ!とか、どろどろ~、といったものが削がれているので、明るく感じるんだろうと思います。

決して、感情がきちんと描ききれていないわけではなくて。
そうか、クリスティ作品の中の、この人の作風にあったものを探したら、ポアロとマープルが抜けたのかな~?

一冊だけの企画ではなく、続けて欲しいんですけど、どうなんでしょう?

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2006年9月28日 (木)

『レナード現象には理由(わけ)がある』 川原泉

『レナード現象には理由(わけ)がある』 川原泉 白泉社JETS COMICS  平成十八年七月刊

 いやー、長らく待った気がする。
川原さん、本領発揮、って感じです。

 レナード現象ってのは、水滴がぶつかってマイナスイオンを発生するようなことだそうです。
確かに、滝とか、噴水のそばは気分が和みます。
マイナスイオンを利用した家電も花盛りの様子で。

 …でも、マイナスイオンが確かに体にいいかどうかは、全く証明されていないはずなんですけどね、確か。
専門家の集まりでは、マイナスイオンは失笑ネタらしくて、しかも、日本だけでものすごく広まっている『常識』だとか。
そんなのどーでもいいです。なんとなく、と云うのも、人間には必要だ、うん。
「すっきりする」で充分でしょう。それで病気が治ると信じ込んでいるのならともかくとして。

 最近の川原さんは、『ブレーメンII』で、SF調な作品を描き続けておられましたが。一昨年、それも完結し、次はどーいう話かな~と心待ちにしておりました。
でも、なんだか、花とゆめ本誌でばりばり描いていた頃とは少し違って、ちょっと自分の方向を模索しているのかな~? 描く意欲が薄れていたりして…なんて勝手な想像をしていたんです。哲学的なお方だから。

 待ち構えていた新刊の内容は、デビュー作とか、そのあたりの作品を髣髴とさせるもので。
『学園』に戻ってきたね~、川原さん。
SFも大好きだけど、こっちがこの人の本来の居場所である気がします。

 収録された4作品は、同じ学校、知り合いたちがそれぞれの主人公で、まったりとリンクしています。
その中のひとつのラストが、『「だから何?」って感じだけど  ――ま 今はそれで良しとしよう…』
ま、これが、川原作品全般を象徴する言葉なんじゃないでしょうか。

 なるよーになる、なるよーにしかならない。
これは私の座右の銘だけど(笑)、その気分に一番マッチしているのが、この人の描くものが自分にフィットする理由なんでしょうねえ…。
別に、話の解決がついていないとか、いい加減なストーリーだというのではなくて。
肩の力の抜け具合がナイス♪

 しかし、『笑う大天使』の映画の、聖ミカエル学園の制服って、襟と云うか首筋大きく開きすぎてません? この本の帯で見て、びっくりしちゃいましたよ。でも、DVDになったら絶対見てみよう♪

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2006年7月25日 (火)

『ボクを包む月の光 ―ぼく地球(タマ) 次世代編―』 

『ボクを包む月の光 ―ぼく地球(タマ) 次世代編―』 日渡早紀 花とゆめコミックス

 気がつけば一ヶ月放ってましたね。
どうも、W杯疲れと云うか、抜け殻状態と云うか…(笑)。

 どうも私は、「本を読みまくりたい時期」「手紙を書きまくりたい時期」「小説を書きまくりたい時期」なんてものがぐーるぐーるとめぐっておるようです。
…話を書きたい時期は、なかなかめぐってこないし、「なーんもやる気が起きない時期」が可成幅をきかせている気がしますが。

 さて、先日、『ボク月』の三巻を読みまして。
泣いてしまいました。

 『ぼくの地球を守って』が「名作」だということに、異議を唱える人はあまりいない気がします。
好き嫌いは別にして。一時代を築いてましたよね。
私は、この頃までは「花とゆめ」買っていたなあ…。連載終了とともに買うのをやめて、これで最後まで付き合っていたマンガ雑誌から手を引いてしまったんです。毎月、毎週、隔週で話を追っかけ続ける気力がなくなったんですよねえ…。
まあ、個人的に、マンガの読み方の区切りになった作品でした。

 で、『ぼく地球』のあとの日渡作品も買い続けていたんですけど、何故だか読まずに放置してます。
まあ、いつかまとめて読んでみようか…。
この調子の本がどれだけあるか、調べてみるのが怖いんですけど…。

 そして、この『ボク月』は、『ぼく地球』の続編と云うことで。
なんとなく、読んでみたんです。
十数年ぶりの日渡作品。
…絵柄変わったなあ…。

 好みは、『ぼく地球』の後半あたりの絵柄かなあ…。
あの作品、前半と後半、えらく絵柄が違うじゃないですか。
むしろ、今の絵柄と『ぼく地球』後編の絵柄は、『ぼく地球』前半と後半の絵柄の劇的な変化よりは、違いがないように思えるのに、随分と時間がたったなあ…って感じで。
ちゃんと変化している最中を眺めてこなかった罰なんでしょうけど、別物みたいに思ってしまう…。

 好きだった話の続編を読むというのは、やっぱりむずかしいです。
時を置かずして続けられたものならともかく。
たとえば、ひかわきょうこの『荒野の天使ども』と『時間を止めて待っていて』は、ほとんど続けて描かれていましたけど、作中での時間が数年たっているので、区切りをつけてタイトルを変えた…みたいなもんでしたが。
『ドカベン』なんかは、もう、水島新司が全く変わっていないし、山田太郎をはじめとしたキャラは完成しきっているので、何年置いて描き始めても全く違和感なかったけど。
でも、昔好きだった作品の続編って、最近多くて、ちょくちょく手を出しては、「やっぱり…」とか「まあ、こんなもんだろうね」と、淋しく感じたり納得したり…といった調子で、「やったー!!」ってものがなくて。

 時間がたってから続編を描きたくなる作品と云うのは、やはり、その作者が一番のっていた時期に描かれた代表作だろうし、読む側にとっても思い入れがあったりするから、双方にとって、色々と大変なものになると思うんです。
で、なかなか、読み手側の期待を上回ってくれるものと云うのは、出てこないんですよねえ。

 それって、自分が、昔の作品を読んでいた時期の自分と変わってしまっているということが、最大の原因ではないか…とも、思うんですけどね。
…だいたい、動じないおばさんになってしまってますから(笑)。
多感な時期に(ぼく地球を読んでいた時期を『多感』と評してはいけないだろうと思いますが・笑。しっかりはっきりばっちり成人しておりましたから)目にしたものと同程度の心の動きを起こすには、ものすごーく高いハードルが存在しているんですよねえ…。

 だから、続編と云うものが抱える気の毒な宿命をさっぴいた上で、その作品に対処しようという心構えをした上で読んでいるんですけどね。
「だから、『こんなもんかな』で済ませてやってんだい!」といいたくなることもありますけど(笑)、おおむね、満足と云うか、納得はしています。

 で、この『ボク月』三巻で泣いてしまった…。
これは、この作品内容がすごかったのではないと、やっぱり気づいてしまった…。

『ぼく地球』での、紫苑とラズロとキャーのエピソードがあったからこその、涙、だったんです。
七歳児の父親になった輪が、ネコを飼いたくないと言い張る理由が、前世のシオンの、ラズロとキャーたちとの、突然中断させられてしまった幸せな記憶のトラウマだった…というエピソード。

 …やっぱり、昔のものは、そっとしておいて欲しい…かなあ…(泣)。
まあ、あの年の差カップルがどういう夫婦生活や子育てをしているのか…ということには、興味はありましたけどね。
まあ、懐かしい顔が出てくるのが楽しいから、読み続けますけどね~。

 あ、ラズロとキャーのエピソードを読み返してみたら…なんか、ラズロって、『ダーリンは外国人』の旦那に似ている…。名前まで同じだなんて…。なんか縁があったんですか?と思いたくなりました。

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2006年6月18日 (日)

『サッカーおばかさん ROAD TO ドイツ!』 カトリーヌあやこ 

『サッカーおばかさん ROAD TO ドイツ!』 カトリーヌあやこ ウンポコ・エッセイ・コミックス

 カトリーヌあやこと云えば、芸能人の似顔絵イラストの人…という認識でした。
しかし、すごいですね、この『サッカーばか度』。
ゲームを見に行く行動の方はもちろん、その頭の中を駆け巡る妄想の度合いがなんともグレート。

 似顔絵の技術も、おさすかで、どれもこれも(自分の知っている選手だと)頷けます。
川口怒って叫んでばかりなんだけど、それでも、「ああ、そうだろうなあ…」と思えてしまうんです、川口ファンにも(苦笑)。
…最近、妙ににこやかになって気味悪いぞ、川口(笑)。

 ご贔屓のレッズの選手たちや、日本代表たちをホストにたとえての漫画がなんとも…。ちゃんと選手たちの特性をとらえていて。
…しかし、稲本だけ金太郎くんなのは何故…?(日韓W杯編では、可愛く描いてくれているけど)。
小野と坪井が妙に可愛いのは、坊主フェチっすか?
遠藤がガチャピンとは、盲点でした。彼は、アメリカザリガニの声の高い方と、次長課長の河本だな~と思っていたけど。
ホスト巻かっこよすぎ~(笑)。
今更トルシエに、「中心は中村」と云われて、だいたひかるの『♪どーでもいいですよ』になっている俊輔の表情がなんともナイスだ。

 セリエAとかも大好きなご様子で、たくさんのページが割かれているんだけど、超有名選手しか判らないのがくやしいかも~。
でも、カトリーヌさんが彼らに注ぐ、怪しくも熱い情熱は伝わります~(笑)。

 アテネ五輪チームの道のりを『指輪物語』にたとえたのは、やっぱり、あの映画の予告編を見た瞬間に、「田中だ」と思ったわけですよね、主人公が。今、ちょっと顔が変わってしまったけど、当時は似ていたよな~。

 しかし、中身ではそれほど触れられていないロナウジーニョが、表紙で一番目立っているのは…彼が、今大会で旬だからでしょうねえ…。

 中には、「あれ?」と思ってしまう絵もあるんですよね。これは、作者の愛の暴走でしょうな(笑)。
だったら、ロナウジーニョも美形に描いてやればいいのにと思っていたら、「だんだん慣れてくると…めっちゃいい男に見えてきましたよ! つか素敵!!」っつーて、過剰な愛情を注いだカットもあったんだけど、それでも口元はロナウジーニョのままでした~(笑)。

 ん~。泣いても笑っても、クロアチアとの一戦で決まるのね~。あと一時間を切ってしまった。ああ、じたばたじたばた…。

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2006年6月17日 (土)

『攻殻機動隊』 士郎正宗

『攻殻機動隊』 士郎正宗 ヤングマガジンKCDX 1991年刊

 映画がはじめて公開された時には、あまり興味がなかったんですけど。
衛星でテレビ放送されたときに、途中から見て、「一体これはなんなんだ?」とびっくりさせられて。
テレビシリーズの『攻殻機動隊 STAND ALON COMPLEX』と、映画第二作目の『イノセンス』は、どちらが早かったのか…?
で、テレビシリーズ第二作『攻殻機動隊 S.A.C. 2ndGIG』まで堪能いたしました。

 その後になって、ようやく、原作漫画を買ってみたり(笑)。

 しかし、これは、面白い例になりました。

 たいていの、ほれ込んだ漫画がアニメにされる場合は、大昔は作画の荒れに泣き(『キャンディ・キャンディ』をはじめとした少女マンガでは、満足した覚えはないっっ! 少年漫画の場合、むしろアニメキャラの方がきちんとしている場合があったりしたもんだけど)、ただ筋を追っかけているだけだと物足りないのに、「アニメならではのアレンジ」があると「世界観が違う!」と怒ったり。

ほれ込んでいればいるほど、アニメの出来に一喜一憂。
それほどでもなければ、「原作とアニメは別物」として楽しんだりも出来る。

 しかし、アニメの方がむしろ面白い、と感じたものは、それほどなかったような。

 この作品の場合、先にアニメに出会ったというハンデを差し引いても、私は、原作漫画よりアニメの方が好きだな~と思ってしまった。

 原作はトグサが生意気だったり、面白い部分もあるけど(笑)。

 二時間程度の映画二本と、26話×2にまで広げられる要素を持った一冊と云うのは、非常に濃いもので、面白い本だったんですけどね。『2』も出ているけど、あまりアニメの作品世界とは関係していない様子だし。

 この漫画には、やたらと枠線の外の書き込みが多いんです。
気になるからいちいち読んでいては、話の流れに乗りにくいし。そう、作者も注意書きしているんだけど。でも、書いてあればついつい読んでしまうもんです、はい。
「…そういう部分、作品の中で表現してくんない?」って気分になってしまう。

 逆にアニメは、不必要な要素をそぎ落として、わかりにくくたって知るものか、ついてこれる奴だけついて来い、って作り方で。こっちの方が好みだったりする。
決して、全部を理解しているわけではないけど。判った気分になって眺めているだけ。それでも面白いものは面白いから。

 漫画の枠線外の書き込みは、自分の知識をひけらかして、かといってそれをちゃんと作品世界に表現しきれていないひとりよがりなつぶやき……とまで極論してしまうのはいかがなものかと思うけど、でも、説明しないアニメの方がかっこいいと思ってしまったんですよ、私は。

 ちゃんと原作から先に読んでアニメを見ていたら、また違った感想を抱いたんだろうけど。
だいたい、アニメにしたって、映画とテレビシリーズは全く別物だし。
…テレビシリーズが一番趣味に合うな~…てのは、攻殻ファンとして失格かしら? 『3』は作られないかな~?

 あ、アニメを見てから原作買ったのって、『魔方陣グルグル』とか『鋼の錬金術師』とか結構あるかも。ハガレンはどっちもいいっす♪
 

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2006年6月15日 (木)

『あずまんが大王』 あずまきよひこ

『あずまんが大王』 全四巻 あずまきよひこ DENGEKI COMICS EX

 女子高生主人公で、少しシュールな四コマ漫画。
どーしてこんなタイトルなのだろうか。
理由を書いてあるのを見たことはあるけど(以前書いた作品を「あずまんが」というタイトルでまとめたことがある。加えて、掲載雑誌が「○○大王」だったからてきとーについてしまって、的な)、でも、だからといってこの作品内容に相応しいタイトルでないことに違いは無い。

 完璧に、自分の趣味のエリアから外れているので、私がこれを読んだのは、ひとえに息子が面白がっていたから。
私の蔵書を勝手に読み漁っておるのだからたまには逆を…と軽い気持ちで手を出してみて、「結構やるじゃん」とうならされるケースが出てきているのは、ますます息子のオタク化に磨きがかかっているようで複雑なんですけど。

 でもいいや、ちよちゃん可愛いから許す(何が?)。

 個人的に、好きなキャラは地味なヨミと榊さんなんだけど、自分がどれにているかと問われれば、否応もなく、ともか大阪だよな~。とも程の行動力は無いか。
などと、女子高生と自分を比べてみてどうしたいというんだ?

 まあいいや、面白いんだから。

 感想を書こうとかいう積極的な意思をなし崩しにしてしまう、脇をくすぐられるような漫画です。軽く笑えるとこがいい♪
不条理でシュール。脱力と元気一杯。
どうも、私は、爆笑系の四コマより、「ふふっ」と笑える程度のものの方が好みらしい。
決して、爆笑だけが「面白さ」をはかるものではないと思うんですよね。

 何故か私の部屋には、榊さんととものぬいぐるみ(キーホルダーになっているんだけど、その用途には少しでかすぎないか?って感じの)があるんだけど。
息子がゲームで取ってきて、くれたんです。自分はちよちゃんと大阪を所持。そーか、そういう趣味か、お前は。…ロリコンと云っやったら反論できるか?

 そーいえば、この四コマ漫画、アニメにもなったんだよなあ。まあ、ネタ的にはつながっているものも多いから無理はないだろうけど。
この、「起承転結」のテンポはどうなっていたんだろう。
見てないんですよ。主題歌だけは知っているんだけど。元ZABADAKのボーカルの上野さんの曲だから。

あ~、ZABADAK聴きたくなってきた。

 まとまりも結論もない。それでいい気もする『あずまんが大王』。理不尽でお気楽な教師に負けるな青春だ~(笑)。

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2006年6月13日 (火)

『晴明。』 加門七海・猪川朱美

『晴明。』 加門七海・猪川朱美 眠れぬ夜の奇妙な話コミックス

 第三巻までは持っているんだけど、うちの近所の本屋ではなかなか見かけないので、調べてみたらもう六巻まででていたとは、と昨日ネットで注文したんです。
三巻までを読み返したので、なんか、すぐさま続きを知りたい気分なのに、一週間待たされるのはもやもや~。
いえ、店側が悪いんじゃなくて、ついでに自分の欲しいものを注文した息子のせい。…私は、『24時間以内に発送』出来る品だけにしぼったのに~~~。

 一時期の陰陽師ブームも一段落したような気配なんですけど。
 でも、私がちゃんと読んだことのある安倍晴明の話は、岩崎陽子の『王都妖奇譚』と、『陰陽師』の夢枕獏の小説と岡野玲子の漫画、立野真琴の『月虹伝書』と、この『晴明。』。
他にも短編とか、忘れているものもあるだろうけど、記憶しているのはこれくらいで、他に、本屋で表紙を眺めたり、出版の案内チラシなどで目にした限りのものをあわせて考えてみると、晴明はすっきりした美青年であるのが常識でございました。

 あ、小説で富樫倫太郎氏の書いた『陰陽寮 壱 安倍晴明編』は年寄りだったような…。ああ、記憶が定かでない。

 様々な安倍晴明像がマンガや小説などで展開されましたが、この『晴明。』での安倍晴明は、一番小汚いに間違いない(笑)。

 どの作品での晴明も、『自分が異質なものである』という点で苦労していますが、孤独感とか存在の意味とかを自問するレベルではなく、『晴明。』では肉体的に厳しい。
まだ幼さの残る体格のいたいけな少年に向かって、殴る蹴る、果ては殺そうとするなんてすごすぎるよ賀茂保憲。
漫画の『陰陽師』の保憲もいたがい陰湿でいやな奴だけど。
『晴明。』の保憲ってば、判りやすい直情径行ってだけでも保憲像としては異質だけど、あくまで晴明を異常な現象の犯人に仕立て上げたくてしかたなくて、人の話も自分の思い込みでぶった切ってしまって、三巻まででは完全に憎まれ役だけど、今後どういう展開になるんだろうか楽しみ♪ だって、憎まれ役なのに憎みきれないんだもの。自分より冷静な人みんなに叱られまくり。

 平将門までからんでくるんだけど、これがまたいい男で(笑)。

 六巻までで完結の様子だけど、さて、どんなけりの付け方をしているのか楽しみだ♪
でも、将門の最後は暗示するだけでいいからね。

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2006年3月24日 (金)

『長い長いさんぽ』 須藤真澄

『長い長いさんぽ』 須藤真澄 BEAMCOMIX 06/1

 可愛い絵柄の漫画家さんですが、この人のは読んだことありませんでした。
四コマっぽいのかな~と思っていたけど、先日買った別の本では、メルヘン調のストーリーものを描くタイプのようで。

 表紙に、可愛い猫。
そして、帯に、『ゆずとの最後の日々』。
内容は見えている。
泣けるだけだから、通常は買わないんだけど、手を出してしまった。
16歳の老猫。
前の方の三分の一ほどは、元気な頃の、可愛い猫とお間抜けな飼い主の日々…というほのぼのとしたものだったんですけど、残りは、『最後の日々』。
案の定、泣き通しでした。
判っているのに。
よそさまのペットのことでもらい泣きしたくないのに~(泣)。

「楽しい思い出をありがとう」ではなく、ゆずの死にうろたえる飼い主夫婦の異様な愛情の示し方を繰り広げられております。
はっきりいって、はた迷惑でしょう、こんな様を見せられたりしたら。

でも、自分たちの異様さをちゃんとわきまえていて、「ご迷惑おかけします」という姿勢もちゃんと見せているから、「…それだけ悲しいのね、あなたたち…」と、周囲も遠巻きに放置、と申しましょうか(笑)。
それぞれ、自宅で仕事をする人たちだからこれが許されているけど、外に出て仕事をする人だったら、ちゃんと、自分のしなければいけないことをして、その上でペットの死を悲しむ節度のある人たちだと思えるから。
自分たちが自由業で、思う存分、猫の死を悼むことが出来て幸せだ…と思っているだろうから。
そういうことが伝わってきました(でも、火葬した灰全部持ち帰るのはともかく、骨を部位ごとにビニールの小袋に入れるのは、どうかと思うわ…)。

 思い切り悲しめたからこそ、新たに子猫二匹たちとの生活も始められたんだと思いますし。

 私が、大の猫好きなのに、息子が生まれる前にいなくなった猫のあとに飼えないのは、別れるのが辛いから~(泣)。
たいして愛情をもてなかったバカ犬でも、一年と少し前に死んだ時は、泣けましたから。
猫に死なれたりしたら、私、立ち直れないだろう、きっと…。

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2006年2月19日 (日)

『ブリザードアクセル』 鈴木央

『ブリザードアクセル』 鈴木央 少年サンデーコミックス

 トリノにあわせてか、第四巻が発売されていました。
少女マンガでは時々見るけど(なんと云っても、槇村さとるが私をフィギュアの世界に誘ってくれたなあ…)、少年誌では、前代未聞では?
いや、本当に無かったかどうかは知らないけど、それくらいのインパクトがあるでしょう、芸術系のスポーツを取り上げるのって。

 だいたい、世間では、スケートリンクの閉鎖なども相次いで、スケート熱と云うものは昔と比べ物にならないくらいに冷えてきているものだと思っていました。
私が小学生の頃に通い詰めた、屋外型リンクもとうの昔に閉鎖されたし。
…そうか、『愛のアランフェス』が発表される以前から、私、スケート好きだったんだわ~(別マは中学生になってから読み始めたはずだ)。
運動音痴で、毎年スキー教室をさぼれないものかとくらーくなっていたものですが、スケートだけはなんとか人並みに滑れました。

ついでに、スケートリンクの食堂で、生まれて初めてカレーに添えられている福神漬けを食べて、美味しいと思いました。以来、これだけは食べられます、お漬物の中で(つまり、福神漬け以外は拒絶反応でございます)。
それほど、楽しい場所でしたね~。

 しかし、人気が下火になっていて、関西の有名なスケート倶楽部が練習場の確保すら困難な状況になっていたりするし。
この状況でフィギュアスケートの漫画を少年誌で描くというのは、女子フィギュアの一時的な人気によりかかったものか…と思ったんです。

 でも、作者の鈴木氏。もともとフィギュアスケートが好きだったようで。
だから、基本がわかっている感じ。
漫画にするためにいきなり勉強した場合は、そのスポーツの空気がつかめていない場合がありますし。
世間がどれほどの位置においているか、とか。技に関する困難度の認識とか。

 それに、取材協力に無良隆志さんの名前があって。
「おお~、元日本代表じゃないか~」と感動してしまいました。すごい人に協力を仰いでいるんだなあ。
取材姿勢が半端じゃないって気分。

 無良さんと云えば、三巻の156ページにも紹介されていましたけど、かつて、男子シングルとともに、伊藤さん(みどりではない)と組んでペアも滑っていた人なんですけど。
このペア、二十数年前のあるシーズンに、宇宙戦艦ヤマトの曲だけをつなげて使ったことがあるんですよね~。
しかも、その時のコスチュームは、オレンジを基調にしたものでスパンコールもばりばりだけど、確かに胸に矢印が!(笑)
いや、それより驚いたのが、NHKのアナウンサーが、「曲は宇宙戦艦ヤマトです」と云ったら、解説の、確か佐野稔氏が「ああ、だから矢印なんですね」と云ったこと。
…ヤマト、知っていたのね、佐野さん…。

その翌シーズン。
無良さんは日本代表として、シングルで世界大会に出まして、またヤマトの曲を使用されていました。今度は、全体じゃなくて一部だったと記憶しているけど。
『永遠に』の曲なんかが世界のリンクに流れたのよ~~~♪

 そんな訳で、ちと邪道な動機で無良さんが好きで。余計にこの漫画を贔屓してしまう(笑)。
いや、そんなのなくても、充分に面白いですけど。

そのスポーツのことを何も知らなかった少年が、めきめきと才能を発揮していく…というのは、少年漫画の王道的な展開だけど、『ライジングインパクト』の時の面白さが戻ってきたし。
最初の連載で大当たりを飛ばしたら、続かない場合もあるけど、この人もそのパターンだなあ…と、ライジングの次の格闘系の連載は追わなかったんです。
そしたら、ジャンプからサンデーにいつの間にか移っているんだらびっくりですよ。
なんか、編集部ともめたんか?

このパターンの方がいいよ、鈴木さん♪
「絶対無理だぜ(笑)」と思うような展開でも、はったりのきかせ方が上手いです~。

 それと、『ライジングインパクト』では無理だった「ラブコメ的展開」もナイスかも(笑)。

 一巻から三巻には、フィギュアスケートのジャンプの見分け方なども解説されていますから、これから女子フィギュアを楽しみたい方にはおすすめかも(笑)。
でも、はっきり云って、何度も見るしか見分ける術は無いんですけどね。
いまだに見分け、つかない種類の方が多い(汗)。

んで、四巻末には、ペアの技の採点表がついているんですよ~。マニアックすぎだ~(笑)。
しかし、ペアなのに、4回転ジャンプの点数までちゃんと規定されているのか。
…そんなに飛べたら、シングルやっているって(笑)。

 主人公の友人の、ものすごくバレエの素質のある男の子が、自分の素質とやりたい演目のギャップに悩んで、その二つをあわせられる可能性を求めてフィギュアに転向するんですけど。
その、きっかけとなった、サラエボ五輪のアイスダンス、イギリスのトーヴィル・ディーン組の「ボレロ」の演技、今でもビデオテープを大事に残しています~。
三倍速で録画したのが、かえすがえすも残念。
でも、84年当時は、テープが高かったんだよ~(泣)。

 と云うわけでもないんだが、一番好きなのは、『愛のアランフェス』のペアでも、浅田真央とか安藤美姫人気の女子シングル、本田くんが好きだった男子シングルでもなく、アイスダンスだ~。
つまり『白のファルーカ』大好きなんだわ~。こんなんでいいのか、締めは?(笑)

ああっ、しまった!
カテゴリーに、『アニメ・コミック』ってとこがあったのか。
ずっと漫画も『書籍・雑誌』にしていた。
…全部直すのは面倒だな~。
とりあえず、今回から(笑)。

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2006年1月28日 (土)

『秋への小径』 太刀掛秀子

『秋への小径』 太刀掛秀子 集英社文庫

 何を血迷って二十年以上前の作品を…と思われた方。同年代ですね~(笑)。いや、この作品が発表された当時に十代前半だったら、三十代前半と云う場合もありますな。

 85年4月に刊行されたりぼんコミックスももちろん残してありますが、これは、集英社文庫で、先月出たもの。
「りぼん おとめちっくメモリアル選」だって~(笑)。
いや~、このサブタイトル、絶品ですわ~。
おとめちっくと云えば、太刀掛さん。間違いない。少なくとも私にとっては。

 解説文を寄せられた藤本さんは、『「りぼん」の「おとめちっく時代」を代表する「りぼん三人娘」』として、田渕由美子、陸奥A子、太刀掛秀子の名前をあげてらっしゃいます。
確かに…。
でも、私はその中でも断トツに太刀掛さんにべた惚れしております。
三十年以上漫画を読んできて、そろそろ7000冊に及ぶはずの漫画の蔵書を抱えておりますが、それでも、20年も前に「引退」してしまったこの人を、今でも一番好きな漫画家として、トップに名を上げます!

 でも、さすがに高校を出たあたりで、りぼんを買うことをためらって、コミックスが出るのを待つようになったんですが、おかげで、単行本に収録されていない作品を見逃してしまって地団駄踏んだもんです。

 しかしっ! 待てば海路の日よりあり!
この文庫には、ふたつ、単行本未収録作品が収録されております!
いや~、ひたすらめでたい。私のためだけに収録されたと思ってやる~~(笑)!

 表題作の、『秋への小径』。
帯に謳われている、「せつなくて涙があふれる」は伊達じゃねーぜ!と断言しますわ。
何度繰り返し読んだか知れないのに、また、じんわりしてしまって…。

ピアニストの娘なのにどうしてもピアノよりもヴァイオリンを選んでしまうヒロインと、そういう娘に辛く当たってしまう母親の関係は、『花ぶらんこゆれて…』での、るりと義母の関係をもっとすっきりさせてしまったようで、「こういうの好きね~」とも思ってしまうんだけど…。
いいのよ(笑)。これがおとめちっくなのさ~。
ある意味、昭和四十年代中ごろまでの「母子もの」をほうふつとさせてくれますが。
『花ぶらんこ』では、洋館だし、花ぶらんこだし。『秋への小径』ではヴァイオリンでピアノ。
演歌が似合う世界も、小物の工夫で、見事にリフォーム♪

心温まる…という言葉がこれほどふさわしい作風の人は、最近の様々なジャンルに分化、発展してしまった少女マンガではなかなかお目にかかれないのではなかろうか…と思ってしまいます。

 しか、私が見逃していた、『セプテンバー・バレンタイン』と『星聖夜』。
前者は、恋人が、自分よりもピュアな少女に心を移そうとしている事実を受け入れたくなくて、自分の中の醜さを見てしまう主人公。
後者は、「おとめちっく」路線ではなかなか取り扱うことのなかった不倫が出てくるし(いや、主人公は全くそういうものに関わっていないけど)。
…引退の直前に描かれていたこれらの作品の中身を見ると、そろそろ太刀掛さんも、「おとめちっく」に留まってはいられなくなっていたのかなあ…と思わされます。
いや、でも、ステップアップしてくれれば良かったのに…。なんで辞めてしまうの~(泣)。
双子の娘さんたちも、もう手は離れたでしょう、とっくに。
また描いてもらいたいです、切実に。

 …しかし。
解説の藤本さん。
太刀掛さんのメガネ青年キャラに、ヨン様を感じる…って…。
納得できてしまうだけに、なんか、複雑~(笑)。

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2006年1月 8日 (日)

『最遊記外伝 第二巻』 峰倉かずや

『最遊記外伝 第二巻』 峰倉かずや  ZERO-SUM COMICS

 『最遊記』本編より、こっちの方が楽しみだったんですけど、一巻の後、待たされましよ。五年? すげーな。

 本編のほうも、別の雑誌に『REROAD』として再スタートを切ってくれましたけど、連載誌が休刊か廃刊したのか? 雑誌を全然読まないのでその辺の事情はさっぱりだけど、「読めればそれでいいのさ~」(笑)。

 で、外伝。

 悟空たちっつーか、三蔵一行っつーか、どっちの表現をするかで、誰を贔屓しているかが判るのかな~(笑)。
私は、キャラの贔屓云々より、「この一行の実質的なリーダーはやっぱり三蔵。だけど、話の主役は、『西遊記』でも『最遊記』でも、やっぱり悟空?」ってとこで、どっちにするか迷いますが。

 まあ、ともかく、一行の話ではなく、この四人の『前世』の話です。作者は「三蔵一行とは別人とお考えください」と書いているけど。そうか、作者も『三蔵一行』か(笑)。
…悟空だけは、『前世』じゃないのかな。

 日本人が良く知っている『西遊記』ではほとんど出てこないけど、子供向けのストーリーでは「石から生まれた悟空は、天界の要職についたが暴れん坊で周囲を困らせ、下界の石牢に閉じ込められた(岩の下敷きにされていた絵もあったかも…)」というくだりは読んだように記憶しています。
お釈迦様の指に、「世界の果てまで行った証拠」を書き付けて、懲らしめられたりしてましたよね。それと、天界の桃をたくさん食いまくったりしていたなあ。

 そのあたり、実は、中国では結構こっちの方が重要視されていて、なたく(漢字探すのが面倒~)って人気がすごいらしいですね。
マンガの『封神演義』でも、なたくのキャラについて、『本場の「西遊記」では有名なキャラ』として紹介していたし。
『最遊記 外伝』では、ひたすら可哀想だわ~。
というか、この話自体、救いが少ないものになるのは判っているんですが。
あの三人が死ぬのは仕方ないにしても、だったら、なたくだけでも救われて欲しいけど。…無理かなあ。

 しかし、ナタパパ(なたくの『父親』の李塔天)がドレッドヘアってとこだけ見ても、峰倉さんが、どのようにこの作品に対峙しているかがうかがえる気がするんですけど~(笑)。ふざけていると云っている訳ではないんですよ、はい。

 二巻のラストでは、『創竜伝』読者にはおなじみの、西海竜王が大変なことになっていますけど、大変なことにしている方がメインなんだから仕方がない(笑)。

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2005年12月13日 (火)

『天空聖龍~イノセント・ドラゴン~』1巻  山口美由紀

『天空聖龍~イノセント・ドラゴン~』1巻  山口美由紀 花とゆめコミックス

 デビュー作から見続けている…と云うか、この人の参加している、ヤマトの同人誌も持っていたりする。
でも、山口さんはコスタイファンで、私は主役カップル支持派だったから、接点はほとんどなかったんだけど。残念。

 で、『春告小町』などでしばらく江戸時代を描いていたから、本屋でこの新刊の表紙を見た息子が、「時代劇かファンタジーか判らんのがでていた」

 確かに(笑)。
表紙には、女の子のアップと、刀を振るう男性。
持っている刀やバックの首飾りはエスニックだけど、男性の服装は前作『春告小町』に出ていたお坊さん調とも見える。
で、買ってみたら、「ネパールムードな舞台のファンタジー」でした。作者も、イメージはヒマラヤ周辺といっているから間違いはないだろう。

 ひかわきょうこの『彼方から』には可成ほれ込んでおりますが、あのイザークを山口さんが描いたらこういうキャラになるだろうなあ…というラムカ。イザークにはないやんちゃな部分が結構ラブリーかも(でも、ストイックな部分がないと駄目だし、それはちゃんとクリアしているわ♪)。

 で、息子が云うには、「山口さんの女性キャラは、なんでこう『平均以下』?」

 …大体、少女マンガにおけるヒロインというのは、読者が感情移入をしやすいように、出来すぎていちゃいかんのだ。どの作品でもほぼその路線である、ということは解説してやりましたが、それでも、「この人のは特別にすごい」と感じているらしい。

 …判る気もするけど(笑)。この人の描くヒロインのみそっかすぶりには容赦が無い。健気と云う一線を越えてコメディ方向だし。でも、作風から考えて、それは正解、なんだけど。がんばる女の子が報われてこその少女マンガだし。

 だから、この作品のヒロイン、カナンも、でっかい山を乗り越えて、幸せつかんでくれたまえ、見守っているよ~、という気分にさせてくれます。

 それと、女の子もひょろひょろしていない、ちゃんと肉あるのを感じる絵柄も好きだ~。…これって、山口さんの男性の筋肉フェチ気味なのの延長か?

 それにしても、相変わらず化け物系を嬉々として描いてらっしゃる(笑)。

 しかし、いつの間に、本棚の奥までほじくりかえして、この人の『タッジー・マッジー』とか『フィーメンニンは謳う』まで読んでいたんだ?息子よ。…どこまで少女マンガに突っ走るつもりだ…?

 …そして、カナンのひよこ頭を見ると、『エウレカセブン』のエウレカをついつい連想してしまう私は、可成あっちにはまっていることを改めて実感したのでございました。

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2005年12月 1日 (木)

『period』 吉野朔実

『period』 吉野朔実  IKKICOMIX 現在二巻迄

 吉野さんの作品は、昔から、痛い。
なんか、肌を引っかいていくような感覚が、怖さを伴っていて。

 グレードアップしてきているなあ…と思ってはいましたが。

 本当に痛いよ~。

 一巻の帯には、『美しすぎる暴力と、静寂』

 ただ単に、親からの虐待を受けるかわいそうな子供、の話で終わっていないところがまた怖い(かと云って、反撃したり、復讐したりする話では毛頭ありませんが)。

 ざっくり切られる感覚です。しかも、なたで、です。

 大人や、社会からの、さまざまな形の『暴力』。

 理解力が高すぎて、かわすか逃げるか耐えるかしか無いと悟っている兄と、別の手段を本能的に選択できる弟。

 教師による虐待に限界を感じて、「授業を受ける権利を阻害されているのに、学校へ通う義務は無い」と辞める宣言して学校を出てきた兄が、しばらく歩いて、「やった やったー」とはしゃぐのが、子供らしい部分というか、アンバランスでそれも怖い…。

 一巻のはじめの、お葬式のシーンにたどり着くまでに、子供たちはどんな道をたどるんだろう…と思うと、また怖い。
でも、目を離せない。

 「ぶ~け」という少女誌のたがが外れたら、吉野さん、のびのびしているな~。

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2005年11月18日 (金)

月館の殺人

『月館の殺人・上』 佐々木倫子・漫画/綾辻行人・原作  IKKI COMIX    05/10

 何なんだろう、この組み合わせは…。

 『Heaven?』を終了させて、佐々木さんは次に何を描くんだろう…と思っていたら、本格ですか。
本格中の本格の旗手、綾辻氏の…これは、書き下ろしなんでしょうね。こんなタイトルの著書知らないし。

 妙な組み合わせのはずなのに、『佐々木味』強し。
全体のテイストは、ちゃんといつものおとぼけ不条理というか、押しの強いキャラに巻き込まれる少し気の弱い人々の悲哀調(笑) 。
妄想も突っ走っているし~。

 母が死んで天涯孤独だと思っていた少女に、いきなり祖父の財産相続の話が降ってきて、北海道へ。そして、目的地へ、特別に編成された列車内で、殺人が起きる――
 サスペンスの王道のような展開なのにもどうしてこうも、脱力するのか。それは佐々木倫子が描くから(笑)。

 しかし、少しぎこちない気がするんですよね。
縦横無尽に佐々木倫子、って感じがしない。
『おたんこナース』だって「原案者」がいたのに。
やはり、ストーリーの根幹、展開を漫画的に組み立てる作業が出来るかどうかにかかっているのかな?

 綾辻氏の原作を漫画化するために、どの程度佐々木さんのアレンジが入っているかは判らないんですけど。

 でも、ちょっと窮屈そうにしているように感じてしまいます。

 しかも、『鉄道ミステリ』って、綾辻氏のジャンルでもないし…と思ったら、やっぱり、そうだったのね~。
タイトルがちゃんと教えてくれていたのね~(笑) 。
綾辻氏については、納得です。

 さて、『上』だから、次は『下』?
あと一冊で収まるのか?
『中』があるのか?
ってとこが、今のところ、私の『謎』でしょうか。

だって、まださっぱり訳がわからないもの。
推理ものを、完結前に読むんじゃなかった~(泣)。
一番死んで欲しくないキャラが殺されたし。
残る男は、おたくとおやじだけだ(怒)。もったいないぞ。

脈を取っただけなら誤魔化せるが、鼓動も確かめていたもんなあ。
…心臓に耳を当てた奴が共犯という線はありか?
…期待したい。美形は残しておいて(笑) 。

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2005年9月 4日 (日)

『フラワー・オブ・ライフ』 よしながふみ

『フラワー・オブ・ライフ』 よしながふみ WINGS COMICS

以前、『西洋骨董洋菓子店』がテレビドラマ化されるという話を聞いた時、「…同性愛者が主要キャラなのに、度胸ある局だな~」と思ってしまった。
よしながふみに対する感覚はその程度だった。

実際、『西洋―』を読んだことも無くて、ただ、ストーリーの概略を見て、「私には縁が無いな」と思っただけ。

で、そのドラマの最中だったか、知り合いから、「お菓子がたくさん描かれているマンガって無い?」と訊ねられて。
料理やお菓子を、写真を見て描くのはなかなかに難しくて、絵を見て真似たほうが楽ですよね。
プロじゃないんだし(笑)。
彼女は、何かの都合で描かなくてはいけなくなったらしい。
幼稚園のPTA会報とか?

とにかく、そう聞いて、まず思い立ったのは、『美味しんぼ』。
だけど、これに出てくるのは圧倒的に料理だし。
ケーキなどもあるだろうけど、どの巻にそれがでてくるのか探すのが面倒だし。

どんなマンガでも、ていねいに探せばいくらでもあるんだと思うけど、いざ聞かれるとこれほど即座に答えにくいものはないですな。

で、次に思い立ったのが、タイトルがずばりな『西洋骨董洋菓子店』。
でも、内容をちゃんと知らないのにむやみに薦められないから…と、一応買って読んでみたんです。

ノックアウトだ~。
これほど面白いとは~。

でも、よしながふみとの縁は、「多分、この話だけよね」と思っていました。
積極的に今後も、出されるコミックスを追いかけようとは全く。

しかし、少し前に、新聞の書評欄で、2巻が出たばかりの『フラワー・オブ・ライフ』が紹介されていて気にかかり…先日、本屋で見かけて衝動買いしてしまいました。
結果、息子にまで無理やり読ませて、二人で大爆笑。

1ヶ月遅れの新入生は、白血病を克服してきたっつー重い背景をぶっとばすような深刻さと限りなく縁の無いキャラで。

最弱者がカミングアウトしたら、無敵になるんですよね~。
本人に余りにそのハンデを重荷に感じる機能が欠けている。それを周囲が重いと感じるであろうことを自覚しない。
可成の正義漢だけど、それも程度問題と云うか、自分の正義を押しつけるだけでははた迷惑でしかないと云うことを学習していかなければいけないタイプ。
自分にはそういうつもりはなくとも、周囲はそう受け取ってしまうんだ…って『お子様』には難しいよね~ってこと。

まあ、そんな主人公を中心のスクールライフっぽいんだけど、そこはそれ、『西洋骨董洋菓子店』の作者。
主人公の入ったマン研には、老け顔の超オタク(しかし外見だけはいい)と、無茶苦茶可愛いおでぶな男の子。
おかまにしか見えない担任(つまり女性)は同僚の男性教師と不倫をしているし。
ものすごく仲良しな主人公の家庭も、ヘビーそうな問題抱えていそうだし。
今後の展開にも大いに期待です。

オタクが力説している内容の中で、「ララァはシャアが売春宿で見つけてきた」っつー裏設定は、当時何かで見た気がする。
相沢さんの中学時代のエピソードの中の、『カラスのごめん』『イチゴフィッシュ』『トールの腎臓』『いただけない瞳』『六つのエメラルド』。もちろん全部元ネタは判る(エルドラドだけ読んでないけどね)。

息子は息子で、第1話のいきなりのオタクのコアなせりふのほとんどの元ネタが判るとぬかす。
萌えがどうこうぬかす奴は全部まとめて簀巻きにして琵琶湖に放りこんでやりたいんだが、自分にはその資格はないということも同じに突きつけてくれる作品だこと。

第1話のはじめのほうで、本好きな女子ふたりが交わす会話が、この話のポイントなのかな~。

中学の頃は周囲に気を使って一人で本を読むなんてことなかなか出来なかった…と。

女子の一人は、「中学時代に一人で本を読んでいる子を見ると度胸があるなと思った」「中3の終わりにはもーいーやと思って読んでしまった」と。

中学は周囲に気を使う時期。
高校は? 自分を探す、押し出す時期かも?

…いやー、あたくし、小学生の頃から、一人本を読んでましたけどね―(笑)。
今と時代が違うから。
別に、本の虫をしていたって、いじめられたりしなかったし。
というか、男子達にまじってドッジボールもやっていたし。男子だけでやるときに、数人だけ混じれたんだわ、女子でも。と云うか、普通の女子はまじりたがりませんて(笑)。

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2005年8月19日 (金)

『PLUTO』 浦沢直樹×手塚治虫

『PLUTO』 浦沢直樹×手塚治虫 ビッグコミックス 現在2巻、以下続刊

 私、サザンオールスターズの曲が、苦手なんですよ。
いい曲だと思うんだけどな~、とずっと不思議だったけど、槇原敬之がカバーしている「ミス・ブランニューディ」を聞いて、判りました。
桑田氏の歌い方が苦手だったんだ。他の人が歌えば、ほら、大丈夫!
そう云えば、高田みずえとか、研ナオコが歌ってるのは、むしろ好きだったもんなあ。

 これは、曲のいい、悪いは全く関係なく、本当に、単に自分個人の好き嫌いでしかないんですよね。

 それと同じことが、ディズニーアニメと、手塚治虫作品にも云えるんです、私の場合。

 見たら面白いと思うんだろう。実際、中学時代に『ドカベン』にはまって週間少年チャンピオンを買っていた頃は、毎回『ブラックジャック』は読んでいたし。
 でも、なんか、苦手な意識はずーっと引きずってます。
 手塚治虫がマンガというものに対して果たした功績というものはもちろん承知しているし、尊敬して余りある人だと思う。
 それとこれとは別なんだ、好き嫌いというものは(泣)。

 私、アルコールにアレルギー気味なんですよね。
飲める人がうらやましいと思います。でも、体が受けつけないから仕方ない。
手塚作品に対しても同じかも…。

 …と思っていたら、浦沢直樹が、「鉄腕アトム」の中の「地上最大のロボット」というエピソードを元にして描いているという。

 チャレンジャーだなあ。手塚、という名前だけで挑戦者自身が感じるプレッシャーとか、見る側の人間の目にかかるフィルターとか、色々あるでしょうに。

 でも、手塚作品が苦手な私には、ちょうど、「サザンのカバーをした槙原」状態なわけで、大歓迎なんですよ。

 違う作者、というだけでなく、40年ほど前と、現在の、実際の科学技術や、SF観、マンガというもの自体の進化など、取り巻く状況の変化というものを加味された話は、すごく期待させてくれます。
浦沢さんのは、『YAWARA!』を文庫で読んだだけなんだけど、『MONSTER』が文庫になればぜひ読みたい…と思いますわ、これは。

 なんと云っても、アトムが、あの特徴的な外見でなく、普通の男の子に見えるのがナ~イス♪
御茶ノ水博士は、コラムニストの神足さんだ!(笑)

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2005年7月20日 (水)

『ホームメイド』 谷川史子

『ホームメイド』 谷川史子 りぼんマスコットコミックスCookie

 本屋で、平積みにされている2巻の表紙になんとなくひかれて、一巻と一緒に買ってしまいました。
最初はね~、勘違いしていたんですよ。2巻の裏表紙の小太りのサラリーマンが旦那サンの話なのかなあ…と。

 母親が型破りの作家やマンガ家で、娘や息子が主婦化している話…というのはわりとよく見かけますけど。
いくつか好きな話もあげられるな、神谷悠とか、『少年は荒野を目指す』(これは、夫が主婦だわ)とか。
それほど癖があるわけでも無いのがいい味といいますか。わりと常識人達で(笑)。
…常識人か? 母親の担当さんまでがああいう行動に出てしまうぞ?(笑)

 「人情ものがたり」と云うほどには湿っぽく無い。「ホームメイド」というタイトルが相応しく感じました。

 横顔以外の鼻が描き込まれていないのは、最近流行りですが、この人の場合、力の入っていない描線に合っているな。
20年ほども、りぼんとは縁の無い生活をしておりますから、この方がどういう位置にいるのかも見当がつかないんですけど、でも、ほんわかした作風は好きだな~、他の話も読んでみようかな~と思わされました。
最近は、昔から読みつづけている作家以外の本には余り手を出さないようにしているけど、なんとなくなし崩しに付き合いをはじめてみようかと思わされるのも、力の抜け具合がいいからかも。

 で、本の一番最後のあたりに、コミックスのお知らせ…って載っているでしょう。
あれで、はじめて、今はやりの『NANA』が、りぼん本誌でなく「Cookie」という別冊(?)に載っているんだ…ということを知りました。
そうだよねえ…。伝え聞くところによる内容は、どう考えてもりぼんには相応しく無い気がしていたんですよ。
…でも、『砂の城』とか野心的な作品もありましたから、現在ならそれほど不思議では無いのかも…と思っていたんです。
すっきりした~。

ん~、それにしても、同じページに載っていたりぼん本誌のコミックス4冊の絵柄が、どれを見ても同じに見えてしまう…(右端だけ少し異色かな)。
これは、云いたくないことなんです! そう云うことを考えるのは、自分の感性が硬直している証拠だと昔から思っていたんです。
…でも、同じに見える。
雑誌には似た絵柄が集まりがちだ…と判っていても。私が読んでいた頃だって似ていると云われていたってことも判っていても。それでも云いたくなってしまう。
区別がつかんと。
太刀掛秀子と田淵由美子と陸奥A子は全く違うと云いきるけど、もう「こいつらを区別してやる必要があるか?!」と云いたいっす~。…読んだら面白いんだろうけどね。今回の本のように。
でも、手を出してみるきっかけを感じさせてくれないとな~。…って、もう、「りぼん」とは住む世界が違うんだと認識しているべきなんですけどね(笑)。

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2005年6月14日 (火)

『エマ』 森薫

『エマ』 森薫 ビームコミックス 現在第五巻迄

 「メイドもの」と聞いておりまして、身構えました。

 この春に、この作品がアニメ化される…というのを見たとき、正直、「げろげろ~」と。

 おりしも、「メイド喫茶」とかいうのをテレビで目にして、「え~、なんだこりゃ」なんて思っていたし。
そのうちに、例の監禁男の異様な行状が世間を賑わし、ますますひいてしまって。

 しかし、本屋でふと目にした表紙のせいで、一気に5冊まとめ買いしてしまいました~(笑)。
私の後に読んだ息子も、「『ヨコハマ買い出し紀行』のキャラにメイド服着せたみたい…」
はい、私もそう思って手を出してしまったんです(笑)。
巻が進むにつれて、少々絵柄は変化していますが。
改めて、『ヨコハマ買い出し紀行』に惚れているのか、自分。というのを確認してしまいました。

 作品内容は、19世紀末のイギリス、ヴィクトリア朝の、身分差の恋愛を描いているはずなんだけど、どうも作者の力が入っている部分は、メガネとメイド服に偏っている気がする(笑)。

 もともとホームズファンだから、この時代に弱いんだな、私って。

 ハキムがいいキャラしているんだよ~♪
インドの女の子達は、存在理由が判らなくてもOK♪だし。

 ウィリアムの両親は、自分達が嫌というほど体験してきたからこそ、「いるべきでない場所に身を置くつらさ」を味あわせないために反対しているんですよね~。
これも切ないっす。

 しかし、『エマ』のアニメ、見られないんだわ、ちくしょー。
千葉と、神奈川と、埼玉と、兵庫と、愛知と…「RKB毎日放送」って、確か、九州のどこかだったような。それと、CSのTBSチャンネルと、BS-iを見られる人がうらやましく思います、はい。

 つきぬけちゃって、メイドカフェに行ってみたいと思った私は異常ですかね?(笑)

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2005年6月12日 (日)

『なんて素敵にジャパネスク 人妻編 1』 原作 氷室冴子 マンガ 山内直美

『なんて素敵にジャパネスク 人妻編 1』 原作 氷室冴子 マンガ 山内直美 花とゆめコミックス

 …何年ぶりだ…? と調べてみたら、『なんて素敵にジャパネスク 11巻』が出たのが、93年だったから、12年の歳月を経て、続きがスタート。

 もともと、原作はまだ続きがあったけど、連載も長いし、多分山内さんも氷室さん原作のマンガばかり描くのに違和感でも覚えていたのか(『ざ・ちぇんじ』もやったし、『蕨が丘物語』と、もひとつなんかあった気が…)、区切りのいい当たりで一応のピリオドは打っていたんですけどね。

 中身は、もともと大好きな小説だし、何の不安も無いから、気軽に手に取ったはいいけど、やっぱり細部を忘れているので、本棚の奥から(その本棚の前にも積み上げてあるから…・笑)ひっぱりだしたら、息子が読み始めてしまった。
…どこまで少女マンガに対する垣根が低いんだ、お前は。まあ、私だって普通に少年マンガ読んでいたけどさ、その逆って、普通もう少し身構えないか?

 思えば、このマンガの連載第一回が掲載された『花とゆめ』が発売されたのって、息子が生まれる1週間くらい前なんだな。

 で、インターバル期間中に、普通ならもっと絵柄が変わっていそうなものなのに、そして本人も4分の1ページにそんなこと書いているのに、たいして変化が無いように思えるんですよね~(笑)。
むしろ、連載当時の、絵柄が落ちつくまでの1、2巻あたりの絵柄のほうが変化が大きいかも。

 しかし、「お、やっぱり変わったな~」と思わせられるのが、瞳の描き方ですね。
昔のは、その当時のセオリーで、白い星が中央に描かれているんだけど、今回の本では、最近の流行を取り入れて、瞳の中央は黒くて、白い星はハイライトとしてはじっこに移動している。
長年マンガを描き続けている人は、割合、さりげなく移行しているけど、十数年ぶりに見るとはっきり違いが判りますね~。

 思えば、時代物、歴史ものなんてほとんど無かった時代に、この作品は、コバルト文庫でも、少女マンガの分野としてもがんばっていたんではないかと思います。

 原作小説だけで、まだマンガが描かれる前の頃に、一度、この話はテレビでドラマ化されたんですよね。録画してテープを残してあったり、主題歌目当てでアルバムを買ったり、可成いれ込んでたな、自分。
瑠璃姫役が富田靖子で、高彬役が木村一八、融が西川弘志ってんだから、どんな時代か判ろうってもの(笑)。
私はね~、高彬に錦織、融に植草、鷹男の帝に東山、の少年隊キャストで見てみたかったんですけどね~。ものすごく絶妙な配役だと思うんですけど。あ、高彬と帝は入れ替え可能。しかし、かっちゃんだけは不動(笑)。そして私は、この情けない融が大好きで、かっちゃんの大ファンだったりする(大笑)。

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2005年5月28日 (土)

『Do Da Dancin'!』 槇村さとる

『Do Da Dancin'!』 槇村さとる ヤングユーコミックス 

 先日出た、第9巻を読んで、思わず、「おわ~、『キャンディ・キャンディ』の悪夢再び?!」と叫んでしまいましたよ。

 この漫画家さんは、『愛のアランフェス』以来、「ダンス系」にとりつかれておられるようで。
フィギュアスケート、ジャズダンス、歌や芸能界にも及んで、またスケートに戻り、今はバレエ。

 で、ヒロインの恋人(とまだはっきりした関係ではなさそうでもあるのだが)のニューヨーク公演でのパートナーが、踊っている最中に大怪我をしてしまいました~。

 …あれは、理不尽で許せなかったな。テリュースが、「自分のせいで怪我をしてしまったスザナ」を選んだのには。
キャンディには「丘の上の王子さま」がいるんだということが判っていながらも、テリィと結ばれて欲しかった~~と歯噛みし続けているキャンディファンは多いんじゃないでしょうか。

 で、この作品の場合。主人公の恋人(未満…かなあ、やっぱり)は、昔、これまたパートナーの不調に気づかず、病死させてしまったという負い目を抱えているんだすわね~。

 でも、怪我をした女性は、「三上くんを手に入れるために無茶をした自分にばちがあたった」と泣くけど、そのときすがりついた相手は、彼女が怪我を乗り越えて復帰するのを信じて支えようとしている女性指導者で。

 助かった~と思ってしまいましたよ(笑)。いや、そんな話を槙村さんが書くはず無いと判っていながらも。
いや、二十年くらい前なら判らんな。

 ぼ~っとさまよっていた三上氏も、なんとか復活しそうですし。

 しかし、この巻のはじめの方に、ニューヨークと東京で、チャットかメールでやりとりしているんですよ。ニューヨークなんかモバイルで街中で。
時代は変わったなあ…。
いや、そんな描写なんか、すでにありふれているはずだけど。
しかし、三十年近く(いや、超えている?)古いなじみの作家さんがこう云うエピソードを入れると感慨深かったり。

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2005年5月 8日 (日)

『監督不行届』 安野モヨコ

『監督不行届』 安野モヨコ 祥伝社  05/2刊

 ほーほー。安野さんが庵野氏と結婚したのか…。

 『マンガ界のクイーン★安野モヨコが
  オタクの教祖★庵野秀明にヨメ入り!』

 …なんか、『森・森』みたいだね。あっちは離婚しちゃったけどさ。

 安野さんの本は、一冊しか読んだことないっす。しかも、ホームページでの日記をまとめたもので、マンガは知らないっす。でも、面白い人だな~と思ってはいました。

 カントクは、『エヴァンゲリオン』しか知りません。『ナディア』とか、『トップをねらえ』とか、『彼氏彼女の事情』とか、話は色々聞いているんだけど、見たことはない、いい加減なアニメファンです。というか、いまだに、『庵野』と聞くと『巨神兵』を真っ先に連想してしまう私は、云われるまでもなく古すぎます、くされてます、のーみそ。

 …でもね、この本を読んだら、「おたくらののーみそもご同様ね(笑)」ってなもんですよ。

 しかしまー、カントク。
エッセイ調とはいえ、マンガ家が描くのだから、もちろん脚色して面白く作り上げているはずだと云うことは理解しておりますが、話半分にさっぴくとしても、あんたって…。

 ひきこもり気味のオタクの見本のような神経質なタイプだとばかり思っておりましたが。

 無邪気とバカの紙一重。ボーダーラインの上をスキップしているような人物だったのか…。

 人のこたぁ云えない。オタクなんざ、みんなこんなもんだ…とは思います。日々私を観察している息子に云えば、きっと大いに納得することでしょう。

 …しかも、ヨメに対してオタク教育と称して、『イデオン』や『ヤマト』のDVDを見せようとするあたり…。三歳の息子にヤマトのビデオを見せた私は、カントクのことをとやかく云う資格はございませんでした。

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2005年5月 1日 (日)

『新アタック№1』 小沢花音

『新アタック№1』 小沢花音 マーガレットコミックス

 …あなどっていた…。

 昔の作品の焼き直しだろーが、という気分で一応買ってみたら。

 まず、私は、母がバレーをやっていたせいで、昔の『アタック№1』のアニメを見る前から(さすがに、原作マンガは私が5歳の頃に連載開始したので、リアルタイムには読めませんでした)バレーが好きで今に至ります(でも、一番愛しているのはサッカーなんだけど)。

 で、多分、小学校にあがるかあがらないかで見ていたアニメの影響も、受けまくった世代ですね~。もう少し年下なら、『バイブル』は『キャンディキャンディ』なんだろうけど(アニメは中学時代にかかっていたので、それほどのめり込まなかった)、私は少し『アタック№1』世代にもかかっているのかな。

 しかし、記憶に残っているのは、再放送でこのアニメを見たときの『古臭さ』(放送から数年しか経っていないというのに)と『うそ臭さ』ばかりで。

 これは、昭和四十年代のマンガやアニメに関わる人間達の、『ファッション』や『現実のスポーツ』に対するセンスの無さに起因しているのではないかと…。
鮎原こずえの「ゴーゴーダンス」は、誰かが「フライパンの上のネコダンス」と評していた気が。
どれだけ走ればコートの端なんだ?という描写も、あの当時では『あり』だったんですけどね。『キャプテン翼』でもそれはあり、だったんだけど。それをいつまでもあり、にするのはいかがなものか。それってアニメを甘やかしていないか?とも思うので。

 で、先月からはじまった、上戸彩主演のドラマですよ。
私、ドラマはほとんど見ないんだけど、第1話が十五分延長しているのを知らずに、ニュースを見ようとテレビをつけたらラスト十五分にひきこまれてしまいましたよ(笑)。
すごい演出っすね~。ああいうアレンジはありか? 面白いからいいか。2時間ドラマの帝王のはじけぶりが愉快、愉快。

 で、実写ドラマのせいか、試合している最中の演技はスムーズで、無駄に『ボールを追いかけて走る』シーンが無くて、見やすくてありがたいです。別に、昔のアニメのそういう演出にだけ引っかかっていたわけではないけど。
昔の作品のキャラクター達やストーリーのエッセンスはちゃんと出ていて、「ああ、こういう形にアレンジしたのか~」という確認作業も面白いし。はまってしまった。

 で、先日本屋で見つけた、『新』のコミックス第1巻。
「あのドラマの原作になるのかな?」と買ってみたんですけど、いやー、全く違う!
ドラマよりは、原作の設定を生かしています。
しかし、ちゃんと現代風にアレンジされているし。
ドラマではいきなり勤労少年らしき一の瀬くん、『新』ではちゃんと優等生で新聞部員だし。

 浦野版の鮎原こずえは、『主役』という役割を与えられたキャラで、立場が変わるとともに性格設定まで変化していくように感じていたんですけど(いや、小学生でそんなことまで考えていたわけではなくて、今にして思えば、ってことですけど)、この『新』のこずえはきっちりキャラが出来ている。
これは、この小沢さんが上手いのか、今のマンガ家ならそのくらいこなしてないとやっていけないのか…。現代ものの普通のマンガを余り読んでいないので、判らんです。マーガレット系のコミックスは、特に気に入った数人を追いかけていたけど最近はさっぱりで、雑誌は一度も読んだことないくらいで。
でも、単に『前向き、元気、明るく負けないスポーツヒロイン』ってだけではないように思います。贔屓しすぎ? 似たような傾向のキャラやストーリーで思い出すのは佐々木潤子だけど、あちらほど無理やりの力技でもないし。…佐々木潤子、好きだったけど、あの、ストーリー展開の『いきなり感』は乗り越えるのに苦労したなあ。

下手したら『優等生』に終わってしまいがちな設定のキャラが、きちんと魅力的なのがうれしい♪
この絵柄も、最近のはやり路線で、私には苦手なんだけど。軽々乗り越えちゃったよ~、苦手意識。

それに、このマンガ家さん自身がバレーをやっていたので、リアル感があるんですよね~。
…浦野千賀子は、バレー経験なかったと思う。…槙原さとるも、『愛のアランフェス』当時では、ほとんどフィギュアスケート見てなかった、きっと。『アクセルジャンプ』に対する解釈が変だし。

あ、しかし、いきなり一巻から、ロシアからの留学生として登場してきた『シュレーニナ』。
…私、浦野版では『シェレーニナ』だとばかり思っていたんですが…。『ェ』じゃないの? 思い違いすか?

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2005年3月18日 (金)

『Combination』 聖りいざ

『Combination』 聖りいざ 光文社ガールズコミックス

 現在6巻。一度は完結したように見えたし、なかなか続きは出ないし、油断が出来ない。
1巻を引っ張り出してみたら、平成三年ですよ。翌年2巻が出て、これで完結と思っていたら、四年経ってから3巻が出るし。まあ、帯には「あのふたりが帰ってきた!!」だし、これでまた新シリーズを楽しめるのか…と思ったのに4巻はそのまた三年後だった…(苦笑)。

 作者は、もとCLAMPのメンバーで、秋山たまよさんと同じく独立。
余談ですが、秋山さんと昔、同じアニメのファンサークルで、会ったことあります~。秋山さんと大川七瀬さんの合同誌(キャプテン翼本でした)のチラシはまだ残しているかも(発行は中止になった…と思う)。

 CLAMPの『聖伝』の3巻までは、あとがきに聖りいざさんも秋山さんも描かれていたけど、そのあとは独立されたのか、見えませんね~。

 で、一緒にキャラを描いていたわけでもないのに、似てますね~、絵柄。
と云っても、CLAMPは作品ごとに絵柄を変えるのをポリシーとしているのか、聖りいざさんの絵柄が似ているのは、『聖伝』や『X』あたりなんですけど。

 『妹之山』なんて、CLAMPと同じ『大富豪一族』の名前が出てくるし。共同で作った設定なんでしょうかね?1、2巻の作者名は『聖りいざ CLAMP』ですから。
 でも、もろに『創竜伝』の影響です!とはっきり見て取れるものを出せるのは、「私達、ミーハーです~♪」という、自分の中の可愛げのある面白がっているのではと思えますが。

 で、この作品ですが。
大物政治家と丁丁発止を繰り広げる刑事…なんて、好み♪
再開してから、また、スケールがでかくなって楽しみなんですから、出来るだけ速やかに続刊を出していただきたいんですが。
この本、息子の部屋の本棚に入れてあるので(昔は共同で使っていたけど、息子の部屋にした時に、面倒で動かさなかったでかい本棚で)読み漁っている息子も、「澤田代議士がグレードアップしているな~」と感心しております。…ちゃんと読解できていると感心すべきか?(笑)

 主要キャラ二人の間に、果たして友情が成立しているかは不明ですが、しかし、お互いの信念を通すためのベストコンビであることは確かなんでしょう。ポチが好き(笑)♪

 しかし、妹之山続くん、最近妙にマイケル・ジャクソンに見えてしまう…。何故?

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2005年3月16日 (水)

『たまゆら童子』 佐野絵里子

『たまゆら童子』 佐野絵里子 SPコミックス 平成十七年一月刊

 平安あたりの時代ものっぽい表紙にひかれて買ってしまいました。
お化け系とも、神様系とも判別つけがたい「たまゆら童子」という少年(という姿をしているけど、さて、本性は?)が、時代も場所もとりとめなく姿をあらわして、ある時は、性悪な人間をこらしめたり、ある時は、落ち延びる途中のか弱い女性を助けたり、はたまた紫式部と清少納言の魂魄対決に付き合わされて竜虎相対する姿にびびったり。

 高みから見下ろして人間達を慈悲深く導いたりするものでも、人をたぶらかすのみが存在価値というわけでもなく、正体不明ながら自由な存在である童子がいいです。

 ペンだけでなく、筆も使われている描線が、へたうまと云っては失礼でしょうが、味があって好きです♪

 しかし、帯に『「源義経にまつわる作品も2話収録!!』なんて、「寄らば大樹の陰」にしてもあやかろうとしすぎだって(苦笑)。少し前なら、同じく収録されている、安倍晴明の名前を出していたんじゃないかな?

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2005年3月12日 (土)

『マンガ ギリシア神話』 里中満智子

『マンガ ギリシア神話』 里中満智子 中公文庫

 全8巻だそうですが、私が入手したのは、3巻の『冥界のオルフェウス』と5巻の『英雄ヘラクレス』だけなんで、ネットででも注文して、全巻そろえたいと思います。

 私は、マンガというものを読み始めるのが遅かったせいか、里中満智子の全盛期とは少しずれている気がします。ドラマ化された『アリエスの乙女たち』をはじめ、代表作はあまり読んでいないようで、記憶にあるのは、なんか、新人の歌手か何かを主人公にした、『スター誕生』みたいな話。昭和五十年頃から数年間の「なかよし」での作品しか知らなかったんです。絵柄が趣味でなかったので、コミックスを追いかけて読んだりもしなかったし。

 でも、ご本人、美人で好きです(笑)。よくテレビで見かけるし。

 で、『天上の虹』。一番大好きな時代にどんぴしゃな作品で♪ これを手始めに、『長屋王残照記』『女帝の手記』と、天智天武帝から奈良時代初期まで、追っかけました~♪

 でも、『天上の虹』は持統天皇が主人公ですから、この人物の視点で話を作ろうとなると…ほとんど『正史どおり』なんですよね。ちょっと物足りないっす。

 って、ぜんぜんギリシャ神話の話が出ない。

 昔、カール・ケレーニイって人の『ギリシアの神話』って本を買って読み始めたんですけどね。…ややこしいし、腹立つし(笑)。途中で投げ出して十数年。
マンガで判りやすく…って本が売れる理由が判りました(笑)。

 ギリシャ神話で、腹が立つと同時に面白いのは、神々の身勝手さ、ですよね。
こんな奴らが絶大な力を持っているって、絶対理不尽だよ。いいのか? 人間界、迷惑しかしとらんぞ。
まあ、一神教の神より絶対に面白いけど。
日本の八百万の神々にも似ているし。
里中さんもあとがきに書いているけど、本当に、似ているエピソードが多いですよね。オルフェウスと、イザナキとか。そういうことをまとめた本って、きっとあるんだろうな。読んでみたいっす。
でも、そこで、『日本人の祖先はギリシャから渡ってきた人々だった』なんてトンでも本になってくれちゃ困るけど。

 星座のなりたちとかもよく出てくるけど、ロマンチックだと思わなければいけないんだろうと自分に言い聞かせても、やっぱり、「おまえら、みんな間抜け過ぎだって」としか思えない…(泣)。

 …でも、ハデスさん、暗いけど好みかも(笑)。

 あと、この絵柄から見たら、書下ろしではなくとも、最近の作品の文庫化だろうなあ。
…『天上の虹』描いてよ、里中さん。

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2005年3月10日 (木)

『覇王の剣』 塀内夏子

『覇王の剣』 塀内夏子 少年マガジンコミックス 現在2巻まで

 先日本屋で2巻を見かけたときは、目を疑いました。
塀内夏子が、ファンタジー系? 中国舞台っぽいぞ。

 よく見てますますびっくり。
架空戦記ものでなくて、三国志だ~(笑)。

 塀内さんは、私は『涙のバレーボール』で知って、その後に『フィフティーン・ラブ』を読んで、『オフサイド』『Jドリーム』と、スポーツもののイメージしかなかったから、他の誰が三国志をやるより驚きました。

 しかも、関羽なんて、塀内作品によく出てくる不良キャラそのもの~。『Jドリーム』の鷹ですよ。いいのか~、これで。
まあ、確かに、現実はこんな奴らだったんだろうと思いますよ。あんな戦乱の時代に頭角をあらわす平民なんて。
でも、『三国志演義』がつくったキャラのイメージは、完全に踏み潰してます。そういう作品が好きな私ですら、びびりそうです。
ゲームの『三国無双』とかで、キャラのイメージは知っている息子ともども「ありえね~」と叫び倒しました。

 あ、劉備、福耳じゃないぞ(笑)。でもいい男だからいいか。とにかく、中国ものは好きだし、三国志なんて王道をやってくれることはありがたいっす。…大丈夫なのか? 掲載紙での人気は? 打ち切られたりしない?なんて心配をしたくなります。
 話の進め方には、心配などしておりません。だって、塀内さんだもん♪

 初めて人を殺してしまったことにためらいを感じている張飛に「戦なんてないほうがいいに決まってる でも現実に盗み殺す輩がいる …つらいならやめておけ」と云う劉備になら、ついていけますわ~♪

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2005年3月 6日 (日)

『ドカベン スーパースターズ編』 水島新司

『ドカベン スーパースターズ編』 水島新司 少年チャンピオンコミックス

 いや、これが特別面白い、と云うわけではなく、むしろ、「里中くんが出ている限り、お付き合いはさせていただきますよ」という腐れ縁的惰性で買い続けています。

 確かに、野球の勝負を描かせれば、昔ながらの超一流の面白さが、ちゃんと健在しています。むしろ、明訓時代のキャラが同じチームに揃ったりしてうれしいくらい。

 …しかし、相変わらず駄目なのが、『恋愛』。

 岩鬼は…まあ、ああいうキャラだから、とんでもないのは当然で、夏子さんとの関係は第一作目の面白みにもなっていました。

 『プロ野球編』で展開していた、『サチ子は岩鬼か里中か?!』的なエピソードは…、なんか、サチ子が壊れちゃったよ…的で、トホホでした。
自分が里中ファンだから嫌って訳じゃないですよ。むしろ、サチ子とくっつくのが自然だろうと思っていたし、以前に出てきた『里中くんに人目ぼれした~♪』ってキャラの方が脈絡なく出てきていきなり消えて何それ、だったし。
でも、サチ子が岩鬼をいきなり追い回す様は、話を面白くするためという理由をぶっ飛ばすほどに不気味でした。

 『スーパースターズ編』では、新しい女性キャラ(プロ野球選手ですが)と殿馬ですか…。しかも、野球の勝負をすっとばしてしまうんですからね、殿馬に絡むと。
「水島新司の頭の中の女性観ってその程度?」としか思えなくて、このキャラ大嫌いっす。水原勇気がなつかしい…(泣)。
ああ、勇気は恋愛してなかったしなあ…。追いかけられていたけど(笑)。

 まあ、サチ子はやっぱり里中とくっつくらしいし(『プロ野球編』では判らないといっていた山田がそう見ているから、そうなんでしょう。…とくに惚れていると思われる言動はないんだけどね)、それはそれで結構。

 年だから、男性だから恋愛が描けないんだとは思わないけど。
でも、水島氏はそれに手を出さないほうが無難だと思う。不快にしかならないことが多いし。
まあ、あと2、3年描き続けるなら、少なくとも、里中、サチ子の結婚は描いてくださいませ。
う~ん、義兄弟バッテリー誕生か(苦笑)。

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2005年1月16日 (日)

『燁輝姫(ようきひ)』 市川ジュン

『燁輝姫(ようきひ)』 市川ジュン あおばコミックス

 へ~。こんな人物がいたんだ~…って感じです。

 以前取り上げた、『華の王』に連動するような作品で、時代は鎌倉幕府が設立される前のごたごた。『華の王』は、頼朝と北条政子を中心に据えた作品で。

 で、それと『連動』というと、普通は『義経』側から描くとか、もしかしたら木曽義仲とか。

 しかし、『丹後局』ときましたか(笑)。

 …そういう人間がいたような…というおぼろげな記憶はありましたが。
後白河院の寵姫。国政にまで口出しをした女…と。

 しかし、ここに描かれているのは、『平安末期の女性政治家』。かっこいいです。
はじめは、愛する男性を奪った平家への復讐だったはずが、次第に、国政を動かすこと自体に関心を覚え。

 でも、姉の許婚の男性にずっと恋していて、病弱な姉の死後を虎視眈々と狙っていたり、幼少期から策士だった女性と描かれていて。
そのだんなと自分が、平家が隆盛していく時代で、どう上っていくか…と狙っていた矢先に、だんなは、平氏が完全に政権を掌握しようとする過程で後白河院の側近中の側近として抹殺され。

 …これがなければよかったのにね。虎の尾を踏んだみたいな描かれ方の、平宗盛かわいそうかも(笑)。

 そして、平家と、木曽と、頼朝、義経を、互いに争い合わせようと後白河院が手玉に取るのを、丹後局がサポートする…という描き方は、武家側の視点に立った物語を見ていた者には、新鮮でした。
朝廷って、この時期、武家の権力争いに振り回されて右往左往…ってイメージしか無かったから。
もしくは、後白河の狸がのらりくらりというか…。

 朝廷という尊厳を守るために、既得権益である『印璽』を武器に、実際に権力を持っている武士達に対抗していく姿は、圧巻です。

 以前にハードカバーで発行されていたこの作品が文庫サイズで再発行されたのは、今年の大河ドラマのテーマに合わせてのことではないかと思いますが。

 でも、この『燁輝姫』でも、『華の王』でも、義経の描かれ方は、ちっとも「判官びいき」されてません(笑)。そこが好きなんだけど。もういいです、ただの戦争馬鹿を「悲劇のヒーロー」に祭り上げる風潮は。
作品中の「あの天衣無縫さは、愛されもするが知らずに憎まれもする」というのが、一番義経の姿を言い当てているのでしょうが、世間が「悲運の武将」をもり立てるほど、私は、「戦上手だけど、人の感情の動きや政情を見極められなかった愚か者」と切り捨てたくなるのであります(笑)。

 しかし、今年の大河で描かれる『丹後局』は、きっと、「雌狐」でしょうな。

 『丹後局』の本名、高階栄子。正式な読みが伝わっていないから、市川さんは『はるこ』と読ませましたが。『えいこ』と読んでいたら、私はきっと、「小池栄子」のイメージ重なってしまったかも(笑)。これが描かれたのは十年近く前なんですけど。
あの子の派手な顔立ちに似合わない頭の回転のよさ、結構好きです(笑)。

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2005年1月 5日 (水)

『魔法使いの娘』 那州雪絵

『魔法使いの娘』 那州雪絵 WINGS COMICS

 昨日、新年に入って初めて本屋に行きました。…年末から雪が続いて、ノーマルタイヤではやばそうだったので、自重していたんです。

 満を持して出かけた割りに、収穫は三点。そのうちの一冊は、『四字熟語辞典』だったりします(笑)。いや、世の言葉の乱れを嘆く割に、自分だって笑えるほど知らないよなあ…と反省いたしまして。あとね、『逆引き辞典』が欲しいの~。

 で、残る二冊。どちらもまずまず。
そのうちの一冊が、タイトルの、『魔法使いの娘』。
でも、二巻だけだった。…初売りの時に逃したら、二度とマイナーな会社の本なんて入ってこないからなあ、田舎の本屋なんて。ネットで注文するしかないな。母も、なんか欲しいと云っていたし。なんと純愛ブームのたどり着く果ての『愛と死を見つめて』が復刊されたそうで。
暮れに本屋で、「タイトルが判らない」と悩んでいて、「どんなの」「ん~。昔の恋愛で…」ってとこで、自分が生まれたころのその本のタイトルが、すらっと出てきた自分も変だなと思います(笑)。でも、わりとみんな知っているでしょ? 映画にもなったし、歌もヒットしたし。
しかし、あの男性、今は、無事に結婚して娘もいるそうです。それは何よりだわ。あの本がヒットしすぎて縛られたりしては気の毒かもと思っていたので。

 閑話休題。
『魔法使いの娘』です。ついつい『魔法使いの弟子』と書き込んでしまう私は、さだまさしと『銀河英雄伝説』ファン(笑)。でも、このタイトルも、それを意識しているのか? いや、もっと大元のクラッシックかな?

 那州さんは、デビュー作から大好きで、『花とゆめ』を読まなくなってからも、コミックスを見つけたら買っていましたけど、最近、ボーイズラブ系で、ちょっと手を出しにくかったんです(でも、平気で買っていたけど・笑。その後、読むのに抵抗があるというか)。
で、この作品は、『ここはグリーンウッド』のノリを髣髴とさせてくれます。あの頃から、化け物話には妙にノリがいいとこあったし、それ以上に、もともとこの作者は、妖怪系、好きですからね。雪女と、座敷ワラシネタの二作、大好きですわ♪

 『銀英伝』を思い起こすのは、主人公である『娘』の父親、大陰陽師というこのキャラが『生活無能力者』だから(笑)。やっぱり、狙ってる?那州さん。
どっちがより無能か競わせたいけど、小説と漫画の差で、戦略家より陰陽師の方がひどそうです。

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2004年10月27日 (水)

『ラディカル・ホスピタル』 ひらのあゆ

『ラディカル・ホスピタル』 ひらのあゆ 芳文社刊 現在第7巻

 あゆ…って聞いて、歌手を連想するようでは、正統ヤマトファンではありませぬ。

 ヤマトの同人誌界の大巨匠、ひらのあゆさまを知らなければもぐりだっっ!!

 去年のヤマトパーティで、ひらのさんの個人サークル『ガミラス愛国党』さんとお隣の配置になったと知った時の恐れ多さときたら。びびりましたよ。…そのわりに、ずうずうしく話したりしてしまったけど(笑)。

 今年のヤマトパーティは、残念ながら、ひらのさんはスケジュールの都合からか、お見えになりませんでした。サークル参加は申し込まれていて、スペースの机の上には、本の入ったダンボール箱が置かれていたんですけどね~。会場を去る時の、後ろ髪をひかれる思い…(泣)。次回のヤマパまで待たなければならない~。コミケには行ったことねーっす。

 ともあれ、ひらのさん。プロとしても活躍されています。

 ヤマトでは、ガミラス中心だから、むさいおっさんばかり(笑)描いていて、商業誌では可愛い女の子ばりばり描かれているのかとおもいきや、この『ラディカル・ホスピタル』の主人公は、標準以上にむさい外科医のおっさん(笑)。
…ひらのさん、やっぱり、おやじ好き?
まあ、看護士に女の子いっぱいだし、スターシャ似(?)の女医さんもいるし。

 佐々木倫子の『おたんこナース』でも、舞台は外科系でした。内科だと、うっとーしい話にならざるを得ないし、パワーあふれるギャグ・コメディ路線には、外科が似合うのでしょう。…救命救急だと、また切迫したシリアス形になるし。

 うちの妹(整形外科病棟勤務)に、「現実にありそう?」と読ませたら、「ふふん」なんて時々にやつきながら読んでました。

 内科の看護士と外科系の看護士のムードの違いについては、昔、妹自身が云っていました。エレガントナースが、内科にはいるらしい、本当に(笑)。

 咲坂婦長……『いのちの現場から』の中村玉緒の婦長さんを連想してしまうんです。あのドラマはシリアスですけど、普段の玉緒さんなら、あり、でしょう。パチンコ好きなところも(笑)。

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2004年9月14日 (火)

『鉄腕バーディ』 ゆうきまさみ

『鉄腕バーディ』 ゆうきまさみ 小学館 YOUNG SUNDAY COMICS

 ゆうきさんは、台詞の言い回しが好きです。
 競走馬の牧場が舞台の『じゃじゃ馬グルーミンUP』で、ちょっと変わった方面に行ったかな?と思っていたけど、『パンゲアの娘 KUNIE』で「日常・ご近所」と「国家的騒動」との合体路線でのSF調に戻って、『鉄腕バーディ』で今まで出一番SF復活。しかも、ちゃんと高校生の日常は維持しつつ(笑)。
『パトレイバー』と『あ~る』も、SFとくくれるか…?
 OUTに描かれていた頃から妙にお気に入り♪ 後年、作品がアニメ化されるまでの漫画家になるとは思っていなかった(笑)。…同人作家の延長…って感じだったからなあ。

 現在刊行中の『バーディ』は現在6巻。
でも、1996年ごろに、一回り大きいA5サイズで刊行されているんですよね。
それが一体何巻まで出ているのか判らないんだけど、多分、二巻かな? 一巻だけ持っています。
その頃、『バーディ』のОVAが作られまして、その機会に、それより可成以前に描かれたものをまとめて単行本化したようで。
その96年版の1巻のはじめの方の絵柄は、なんだか、『あ~る』以前と見えるし、P179からはそれより少しあとで『パトレイバー』の初期かなあ…って絵柄。…長期連載の合間に?

 で、春頃に、本屋で、第3巻を見つけたんで、「おお、連載再開か♪」と買いつづけていて、「2巻が何処探しても無いなあ…」「学校の近くの本屋にあった」「お、買ってきて♪」

 で、先日ようやく、「第2巻」を手にしたわけですけど、「…『1巻』と話が続かない…」

 つまり、改めてはじめから書き直しているわけですね。

 1巻も置いてあったというので、翌日息子に買ってきてもらって、ようやくはじめから読むことが出来ました。めでたい♪

 改めて話を組み立てなおしているので、96年版(描かれたのは80年代)のエピソードも形を変えて使われていたりします。

 ウルトラマンシリーズって、死にかけてる地球人とウルトラマンが合体して、地球人の姿を借りて活動する…って設定ありますよね。あれを拝借しているはずなのに、地球人がごく普通の高校生で、宇宙人がナイスバディなねーちゃんだから(笑)。色々と大変です。

 二十年を経て、同じネタを書き直すとこうなるのか~…というのを見られるので、面白いです。細かい設定が深くなっているし、警察などとの関わり方なども現実的だし。

 最大の違いは、バーデイのおっぱいの大きさかな~(笑)。青年誌だな~。

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2004年8月21日 (土)

『花より男子』 神尾葉子

『花より男子』 神尾葉子 マーガレットコミックス全36巻

 長らくこちらの更新が滞っておりました~。ヤマパ合わせの原稿が完成したので、復活したいと思います~♪
実際、原稿書いている間は、余り本を読まないし。以前に読んだものを書く場合も、その本をっぱり出してきて確認したりするので、ついつい面倒になっちゃうんですよね~。

 『はなよりだんご』というこのタイトルのインパクトは、集英社のコミックスに折り込まれている新刊ニュースでながめていて、ついつい目が行っておりました。

 しかし、手に取るまでの気にはなれなかったんで、そのまま。
 で、先日テレビ番組で、台湾でこのマンガがドラマ化されたもののさわりだけ、見たんです。すっげーかっこいい俳優達だ~、という特集で。実際、かっこよかったです~。今、韓国ブームだけど、次はこれかな~って思ってしまうくらい。

 で、ネットでお友達になった方が、その私の「かっこよかったのよ~!!」という雄叫びに、「マンガ、お貸ししましょうか?」と云ってくださって。ゆうパックで届きました~、全36巻。荷物受け取った息子が、「何なんだこの重いのは」と感心しておりました~。ありがとうございます~♪

 五輪の合間をぬって、読み始めました。ああ~、ドラマで紹介されていた、花沢類が『ごみ箱を直す』シーン、ちゃんとある~♪

 しかし、コメディだからと自分を納得させてますが、ちょっとこの『イジメ』、しゃれになってないよ~ってレベルかも~(笑)。巻が進むにつれて、そういうのは少なくなっているけど、自動車で引き回しは怖いぜ(もちろん、乗っているんじゃなくて)。

 『F4』、っていう、マンガの中の『花の美男子四人組』のグループ名をそのまま使って、その台湾の俳優さんたちは歌手活動しているんですよね。
『F』が何て意味か判らなかったけど、『フラワー』だったとは~(笑)。しかし、その、ダサさが似合う雰囲気で。
超お金持ちを出して、ありえね~って展開のパワーでおしてくるコメディとしては、『有閑倶楽部』などがありますが、そちらにはないのが、次々とかっこいい男がヒロインの周りに現れて、とにかく恋愛でドタバタ劇ってとこですかね。

 惜しいのが、『F4』で、道明寺と花沢以外の二人が弱いな~。まだ四分の一くらいしか読めていないんだけど。

 コミックスには、雑誌掲載時にCMが入っていたスペースに、漫画家さんが近況報告などをしている場合がよくありますが、さすが、はじめの方は十年以上前ですね~。この作品がドラマCD化されて、花沢類の役が、キムタクだったとは!! 四分の一スペースでそれを見て、固まりましたよ。…十年前か。結構人気はあったけど、まだ大ブレイク寸前だったのかな。それに、主役(?)の道明寺の声が、げんざい西村知美のだんなである、西尾拓だってとこがまたすごい(笑)。

 気楽に楽しめる作品ですね~♪

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2004年7月17日 (土)

『ご近所の博物誌』 わかつきめぐみ

『ご近所の博物誌』 わかつきめぐみ ジェッツコミックス 1993年刊

 わかつきめぐみ作品について、話が弾んだことがきっかけで、ひさしぶりに引っ張り出してしまいました。

 この人の作品は、訳の判らない異様にノリのいい人に巻き込まれて迷惑しながらもそれを楽しみ始める受身の人物…という構図で展開することが多いんですが。
この作品も、まあ、そのひとつ。
でも、この作品の珍しいのとこ、『現代の学生』が関わっていないあたり。

 『So What?』で「異世界人」は出てきたけど。「もののけくん」も「神さま」もよく出てくるんたけど。舞台ごと「異世界」っぽいものは珍しいかな。
まあ、ちょっと昔の地球上にこんな場所があったとしても、あまり違和感ないかもしれないけど。でも、雰囲気は、ゲームやアニメに出てくる、異世界のひなびた田舎。

 好奇心旺盛で研究熱心だけど意欲の出し方の方向がピントはずれな「都から来た博物学者」と、その人物をかき回すつもりだったのにペースに巻き込まれてしまう「いたずら小僧」

 ん? このいたずら坊主のキャラは『不協和音ラプソディ』調?

 生活感を感じさせない、淡々とした描線に相応しい世界ですね~。

 この作品に出てくる、現実には存在しない植物達を『図鑑』として紹介されているサイトさんを見つけたときは、うれしかったですねー。今、小休止常態だけど、再開されることを願っております。

 …で、時々思ってしまう、「わかつき作品の物足りないとこ」。

 作品中、キャラたちが奇行を繰り広げたり、騒動を巻き起こしたりすることも多々あるんですけど…。思ってしまうんです。「それってそんなに『すげー』こと?」と。
こんな風に考えてしまうのは、現実社会において、とんでもない常識はずれな『自分の常識』を持っている気がするんですけど…。…好きなこと、やりたいよーにやってるだけじゃん、って。…B型のせい?こう思うの。

 まあ、それほど深刻な大事を巻き起こしてしまったら、「わかつきワールド」でなくなってしまうんですけど。どんなことが起こっても、ふんわかしてしまう。

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2004年7月10日 (土)

『スケバン刑事 if』 和田慎二

『スケバン刑事 if』 和田慎二 MFコミックス 2004/6刊

 …面白いものを見せてもらった…。

 番外編のようなものかと思って買ってみたら、なんと、「天宮佑希」「氷室麗華」。
デザインはそのまま、キャラクターもそのまま、で、「サキと麗巳が別の形で巡り会い、友情が芽生えていたら…」という、文字通りの「if」ものでしたー! びっくり。

 麗巳に可愛げがあるんですよ。麗華だなんて思えませんよ、わたしゃ(笑)。

 しかし、サキが「ユキ」と呼ばれているのには「ふ・ふ・ふ…」と妙な含み笑いをしてしまう。

 沼さんとか他にもおなじみのキャラがでていました。…構想膨らまして続けるつもりだったようで、神っぽいキャラもシルエットだけで登場しているし。

 でも、本気で『セカンド』を考えていた和田さんが、「これはサキと麗巳だ」と気がついてしまって、ここで幕。

 まあいいです。ちょっとした夢を見させてもらった気分で。

 本気でこのまま描き続けて、日本の法曹界を牛耳る麗巳とサポートするサキを見せてもらったら印象も変わっただろうけど、私の中では、麗巳はやはり、悪というものの象徴でサキと鋭く、最後まで対峙しつづけたキャラとしてのイメージを大切にしたいなあ…と思いましたので。
いや、この本の設定が甘いとかじゃなくて、ファーストインパクトってすごいのねん、ということ。

 で、この二人、ちょっぴり百合系?(笑) それもまあ良かろう(笑)。

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2004年7月 2日 (金)

『Jドリーム』 塀内夏子

『Jドリーム』 塀内夏子 少年マガジンコミックス 1993~1999年刊

 ユーロ2004…。燃えちゃってます。今、準決勝第二試合、チェコVSギリシャを見ております。

 小3の時にはじめてサッカーの面白さを体育の時間に体験してからウン十年。Jリーグが出来た時は嬉しさよりも、「採算性はどうなんだ、やっていけるのか?!」って思ってしまった…。心配性な人間。

『キャプテン翼』、ブームになりましたねえ。私も結構はまりました。作品自体も面白かったけど、「サッカーをはじめる子供が増えるかも!」という期待も入って。実際、川口とかは、これ読んでサッカーに興味盛ったって云ってたし。

 でも、小学生だからなあ…。ドラマに厚みがない。後に中学編。そこまでは追ってました。
最近プロ編なども描かれているようですが。人間の深みは求められない…。話は面白かったけど。

 水島新司の野球漫画を見ていてもそうだけど、キャラクター達は、スポーツをするための登場人物でしかないんですよね。女性の漫画家だったら、もっとプライベート方面のドラマを描いてくれるのになあ…。

 と思っていたところに出会ったのが、塀内さん。初めて読んだ『オフサイド』では、まだ「塀内真人」名乗っていました。少年誌に女性が描かれる場合は、よくあることですけど。でも、絶対、女の人だなあ…と思った。『オフサイド』には自画像も出ていたし。『ホイッスル!!』の作者も、男名前で自画像カラスだったけど、絶対女だとにらんでいました。だって、人間がちゃんと描けているもの~(笑)。

 で、この『Jドリーム』。まず14巻。『Jドリーム 飛翔編』全10巻。『Jドリーム 完全燃焼編』全8巻。
なんで、こんなタイトル変えて、長くなったかというと、日本がアメリカワールドカップに出られなかったから…(泣)。
出場を決めて、この作品を終わらせるつもりだったと思う、塀内さんは。でも、思い出すにも心が痛む、「ドーハの悲劇」。
おかげで、次のワールドカップまでは、第一部でも主要なキャラだったのが若かったので、ユースチームを叩き上げて。これが『飛翔編』。で、フランスワールドカップ予選にあわせて描いた『完全燃焼編』。お疲れ様でしたと申し上げたいです。もう、エンディングは感無量~。
フランスW杯のピッチに立つ瞬間まで…が、塀内さん流に、ものすごくアレンジされていますが、予選の勝敗の展開は同じなので、今も甦りそうです~。

 しかし、今、コミックスの表紙を並べて感じることは、「…はじめの頃の日本代表のユニフォーム、アシスタント泣かせだっただろうなあ…」
一度だけ、描いたことあるんです。白地に、青の斜めの太さが次第に変わる縞模様。赤い三角の連なり。…全部、トーンを貼ったんだなあ…。今のユニフォームだったら、楽なのに。

 思えば、『オフサイド』で描かれた高校サッカーの世界では、日本がワールドカップを語るなど笑止!な時代でしたけど。…あの頃、日本が、私が生きているうちにワールドカップに…出られたらいいなあ…って程度でしたからねえ。『キャプテン翼』なんて、漫画だから「ワールドカップ出るぞー!」と云ってられるんだよね~、って感じで。
でも、現実のほうが、実感を置き去りにして進んでしまいました。…幸せだなあ…。

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2004年6月30日 (水)

『時をかける少女』 原作・筒井康隆 漫画・ツガクガク

『時をかける少女』 原作・筒井康隆 漫画・ツガクガク 角川コミック・エース 2004/5 第一巻発売

 …何故、今、『時かけ』?

 思わず手にとってしまいました。

 でも、私、原作小説読んでないんですよね~。

 私にとって、『時をかける少女』=原田知世(笑)。アイドルにはまりだした頃にテレビ放送を見て、原田知世にすッ転んで、勢いで『天国に一番近い島』を映画館に見に行ったら、同時上映の『Wの悲劇』の方が面白くて、薬師丸ひろ子にはまって…。ずぶずぶ…。
「女好き」一直線でした~。今のアイドル、興味ありません。80年代の女性アイドル限定よ~♪

 で、話を戻して、何故今、『時を書ける少女』が漫画化されるのか…。

 読んでみても、そりは判りませんどした。

 …まあいいや。

 現在を舞台に、上手くアレンジされていると思うから。…って、原作知らないのに、何を評論してんだか。

 NHKの「少年ドラマシリーズ」で『タイムトラベラー』としてドラマ化されたのは、72年だそうで、それはさすがに知りません。名作という声も聞きますけど。
 でも、私にとっては、『時をかける少女』は、あの映画だけだし。で、あの映画は大林監督の手で大幅にアレンジされているだろう…ということは想像できるので、この漫画の方が原作に近いのかも知れない。

 で、私がこれを買った理由は、「帯に、ゆうきまさみが推薦文を書いていた」から(笑)。

 昔、OUTを読んでいた人なら、ゆうき氏の『時かけ』『原田知世』への熱の入れようはご存知でしょう。その人が、「これなら納得」と書いているのなら、読んで損はあるまい。

 でも、一度、戻しかけたんですよね、書店で。その時、一緒にいた息子が、「…買わんの?」「ん? 興味ある?」「そーでもないけど…」
なんだかはっきりしないけど、まあいいや、買ってみようか。
…で、読んだ。思いっきり納得。絵柄、まんま息子の趣味だわ、これは。

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2004年6月28日 (月)

『ルードヴィッヒ革命』 由貴香織里

『ルードヴィッヒ革命』 由貴香織里 花とゆめコミックス 先日発売

 …しばらく更新できてませんでした~。ユーロ2004にはまっていて、寝不足気味の毎日で~。本、読んでないな~、最近。まずい。

 由貴さんのマンガは、お耽美系の絵柄で、毒満載でどろどろなのに、妙にカラッとしている部分もあるなあ…と思ってましたが、この短編集は、そんなエキスがぎゅっとつまってます。

 白雪姫や赤頭巾といった、よく知られている御伽噺を、思いっきりパロディというか、「幸せに暮らしました、おしまい。で、すむと思うかー!!」なノリです。あ、後日談ばかりではなくて、話の最中のアレンジなんだけど、スタンスとしてこうかな、と。ゴージャス~で、根性の悪い王族関係者による御伽噺の世界…。人、死にまくりやんけ。まあ、もともとの御伽噺も、かなーり残酷ですけど。

 御伽噺では、全く存在感のない王子が、ものすごくお素敵な性格になって、ばりばりキャラ立ってます。姫君たちも、それぞれ「クセがある」ですまない、凄まじさで…(笑)。でも、いいよ~♪そこが。

 私も、「白雪姫を、根性のすわった性格にしたら面白いだろうなあ…」と思ったことあるけど、ここまで毒吐けないかも~(笑)。

 グリムだけしか扱わないのかなー。というか、続編描かれるんだろうか。期待したいんだけど。

 でも、荊姫は切ないのよ~。だから、ルーイ王子の『恋の遍歴』がこれからも続いたとしても、許してしまいます

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2004年6月 8日 (火)

『彼方から』 ひかわきょうこ

『彼方から』 ひかわきょうこ 花とゆめコミックス 全14巻

 ぎりぎり…この作品の開始頃に、最後まで買っていた漫画雑誌の『LaLa』をやめてしまって、コミックスが出るまで待つのが辛かったなあ…。

 ファンタジーです。SFともいえるか。

 ひかわさんは、学園ドラマ、と思い込んでいたので、『荒野の天使ども』で西部劇をはじめたときは驚きましたけど、主人公が異世界に行ってしまうというおさだまりのオープニングのこの作品を見たときは、それ以上に驚きました。

 最近は、ファンタジーも可成許容されるようになってきましたね、少女マンガでも。これは、RPGゲームなどの影響でしょうか。でも、連載始まった当初は、それ程でもなかったと思うし。

 私は、太刀掛秀子の大ファンで。作品単体で云うと、水樹和佳の『樹魔・伝説』だったりするけど。で、その、自分の中での突出したものをのぞいて、ここ十年程で一番はまったもの…と考えると、この『彼方から』になるだろうなあ…と思います。

 イザークのかっこよさときたら、もう、半端じゃありません。これに惚れるなというのが無理だって(笑)。で、異世界に飛ばされたノリコは、少女マンガの王道を行くような、さして魅力があるわけでもない普通の少女で。…だから、読者は自分を重ね合わせられるんだよなあ…としみじみ。あ、でも、素直で前向きな彼女の性格が必要不可欠なわけですけど。

 異能故に周囲から排斥され、己も壁を作っていたイザークの心を、ノリコがほぐしていくのがツボ!っすよ~♪

 以前から、藤臣君のケンカのシーンとか見ていて、「ひかわさんはアクションシーンが好きなんだろうか…」と思っていたけど、これはもう、バリバリのアクション満載で♪

 私、『説明くさい』ものを毛嫌いするんですよね。例えば、『渡る世間は』のセリフ(笑)。
で、ひかわさんの書かれるセリフには、よくそういうものがあるんです。
でも、不思議と、この方の「説明クサさ」は好き。わざと狙っている組み立てだから。それも味にしてしまっているから。

 何年ぶりかで、ドラマCDなんてものも買ってしまったし(笑)。…はまってるなあ。主題歌が、元ザバダックの上野洋子さんで、きれいです~♪ …でも、イザークをやって欲しかった井上和彦氏が、ケイモスだもんなあ…。似合ってるんだけど(笑)。

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2004年6月 1日 (火)

『おたんこナース』 佐々木倫子・原案小林光恵

『おたんこナース』 佐々木倫子・原案小林光恵 小学館

 文庫でも出ているようだけど、私は、「SPIRITTS HEALTH CARE COMICS」という種類でそろえました。雑誌掲載されたものを最初にコミックス化した時のものでしょうね。大きいし。95から98年にかけて。

 『動物のお医者さん』で、医療マンガに定評(?)のある佐々木さんのナンセンスコメディワールド炸裂です。
特別に、ギャグをかまそうという意思を持った人間がいるわけでもないのに。妙に思い込みが激しい人はいたりするけど。本人達は大真面目なのに、いつのまにやら妙な事態が進行している『動物のお医者さん』のパターンが看護婦さんに応用されているわけで。

 「原案・取材」の小林さんも、看護婦の内幕暴露というか、ボケ話も満載な本をたくさん出している人ですし。

 実は、私の妹、看護婦でして。
 ここに描かれているネタの、どの程度がマジにありうるもので、どのあたりからが大げさに展開手されているのか、真剣に聞いてみたい気もします。「こんなのと一緒にするな!」と怒られるかも知れないからよしてますけど。

 このマンガの内容については、何も申し上げることはありません。すっげー、面白いです。

 で、なんかこの作品について云いたくなったのは、以前、あるマンガ評で、「原案の人の名前の方が小さいのは、ないがしろにされている。マンガは描くだけなのに」なんてことを書いてあったのを読んだことあるんですよ。
「『動物のお医者さん』で有名な漫画家だからといって、原作者をこういう扱いでいいのか」なんて感じで。

…違うでしょー。この作品は、「マンガのストーリー」は、佐々木さんが考えていますよ。佐々木さんにはエピソードの提供とか、看護婦さんたちへのリサーチとか、医療ネタに関しての部分で、人間がどう動くか、どういう話かは佐々木さんが考えているから「原案・取材」でしょう。

看護婦のこぼれ話として面白いネタを提供しても、それを三十ページほどのマンガとして構成しているのは佐々木さんだから、漫画家の名前が大きい時はそれなりの理由があるでしょう。

逆に、原作小説の方が有名な場合は、そちらの名前をクローズアップしすぎて、「誰が描いているんだよ」ってな時もあるじゃないですか。その方が売れやすいからそうしているわけで。

で、『おたんこナース』を、漫画家の名前の方が有名だから表示がでかくなっている、売らんかな精神だ、みたいな評論を見て、「お前なんか、マンガの評論するなー!」と叫びたくなりました。

原作者がストーリーを完全に考えている時は、漫画家は、「どう見せたらこの話が面白くなるか」を必死に考えて、絵を描く実作業をするので名前の表示は同格でいいと思います。で、ストーリーの骨格まで考えて、まあ、「こういう展開の時に、看護婦や医者の行動としてのアイデアをお願いします」なんて感じでストーリーつくりに協力している人の名前を少し小さくするのは、そんなに間違ったことではないんじゃないでしょーか。

 まあいいや、また読み返そうかな、久しぶりに。

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2004年5月24日 (月)

『超少女明日香』シリーズ 和田慎二

『超少女明日香』シリーズ 和田慎二

 出版社や発行年度がこれほど書きにくいのも珍しいかも。

 私の手もとの本で云えば、『超少女明日香』これが別マではじめて発表されたのが昭和50年っつーから、1975年の春。コミックスが出たのが翌年の6月。
その後別マで『明日香ふたたび』『ふたりの明日香』が発表されて、それぞれコミックス化。これが集英社のマーガレットコミックス。

 その後、白泉社系に活動を移して、LaLaで『明日香子守唄(ララバイ)』を78から79年に発表。82年に花とゆめコミックス化。
少しまた開いて、85年に『明日香・妖精狩り』。この後コミックスとしては『超少女明日香 眠る蛇』『――― 雨の封印』『――― ウェディング★スター』『――― 救世主の血 全3巻』が94年までかけて出ました。

 で、これで一応の完結を見たのか…と思っていたら、和田さんが今度は少年誌に移られまして、MFコミック・フラッパーシリーズとして『超少女明日香 聖痕編 全2巻』『式神編 全2巻』『学校編 全3巻』が2000年から先ごろまでかけて発行されました。

 最近は、昔の作品が文庫になったり、新たに別会社から出たり…ということがよくありますけど、MFコミックスからも、『ピグマリオ』や『忍者飛翔』や、神恭一郎シリーズなどがすでにカバーされているようです。別マや花とゆめ時代の明日香シリーズも、全七巻として発売中。

 ってことで、新しく買い揃えたら全14巻。昔の本では18冊。

 なんとなく一気に読み返してしまいました。

 なんとなくったって、私の場合はちと大変。別マのふるーいコミックスをしまってあるのはクローゼットの一番奥の本棚(タンスの間のスペースが半端に余ったから、本棚突っ込みました)。花とゆめコミックスの『中期』のものは、本棚ナンバー1の、手前に並べてあるものをどけた奥に平積みでぎっしり入れてあるので、その本棚の手前に置いてあるビデオテープのカラーボックスをどけて(こういう時のために、カグスペールを貼ってあります)発掘して、ようやく読めるんです。…また、もとに戻しておかないと…。

 で、先日、抜けていた『学校編 2』を買ったら、息子が「お、これ読ませて」
「知ってるんか?」
「廊下の本棚にあるのは読んだ」(新しいのは少女マンガ時代とは本のサイズが変わっているのでから、また保管場所が違う…)
「だったら、最初から読めよ~」
と云って引っ張り出してきたのに、
「ん~。古いのはパス」
などと云ってくれる!

 そりゃあね、一番最初の作品は、なんと私が小学生の時代だから否定する余地なく古いですよ。まるで私が昭和三十年代以前の漫画を眺めるような気分でしょう。もしかしたら、紙芝居の黄金バットを眺める気分か?
しかし、連続もののスタートを知らなくて楽しめるか?!

…って、これが、大丈夫なんですよね(泣)。
和田さん、舞台を移す度に、新しい読者に世界観が判るようにちゃんと説明しているから。

 で、腹立つから私が全部読みました。
 しかしまあ、私は『長編は一気読みしたいから、ある程度ためてから読む』とか、『今は気分が乗らないから、また後で』…で、読まずに放ってある本がたくさんあることは自覚していますが、明日香シリーズのうち、『眠る蛇』から後はまだ読んでいなかったのには、笑いました。連載中の雑誌も買っていたはずなのに。

 少年誌に移って、規制がなくなったと云うか、たがが外れたと云うか、ヌードが質、量ともパワーアップしています(笑)。ったって、今の少女マンガ、いくらでもこれ以上のものもあるけど。
でも、昭和50年だと、当然かなあ。

 あ、昭和50年の4月号と5月号掲載の『超少女明日香』。ってことは、3月発売の本の原稿を描いていたのは1月、2月頃ですね。
敵方のキャラの一人の名前が「森ユキ」。この時、ヤマトは初回放送の最中。わたしゃ、喜んでハイジを見ておりました。ふふふ、やるなあ、和田慎二。
さすがだなあ…と感心。まあ、ヒルダマニアは有名だからアニメは興味を持ってながめていた人だろうし。

 通して読んでみると、初期の作品の、甘いところ(昭和50年代の少女マンガとしては、そこを「突っ込んでリアルに描く」自由は漫画家に与えられていなかったかも)なども見えてきたり。

読み込んで手垢で汚れている『超少女明日香』のコミックスにしみじみ…。これを何度も読み返していた当時のことも思い出しそうです。

 長期の連載を終えた合間に描いたりしているので、直前の連載が『ピグマリオ』だったりしたら、一也がちんまるくなっていたりします(笑)。
『ちんくしゃ』なんて言葉、久々に目にしたなー。

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2004年5月21日 (金)

『ヨコハマ買い出し紀行』 芦奈野ひとし

『ヨコハマ買い出し紀行』 芦奈野ひとし アフタヌーンKC 現在11巻

 昨日、確か「芦奈野さとし」って書いてしまった気がする。なんか、その方が収まりよかったから。

 新しいものをまとめて読んだので、なんとなく最初から読み返したくなって。

 やっぱり、最初の方は絵柄が違いますね~、長期の連載のものは。だいたい、コミックス1巻分くらいで落ち着くんだな、これが。

 作品世界に対する説明はなんもなし。多分、自然災害(少年の歴史の勉強で「地震の話」とか、海がどんどん陸地を侵食していく状況だし)なんかで文明は衰退していく最中の、神奈川辺りに住んで、客がほとんど来ない喫茶店を営んでいる女性型のロボットが主人公。

 人間とほとんど見分けがつかないロボットが、違和感なしになじんでいるし。でも、最先端科学の結晶たちが存在している社会は、どう見ても昭和三十から四十年代の景色で。

 とろ~んとしたムードです。アシモフの『鋼鉄都市』などで見るような、ロボット排斥な世界観なんてかけらも存在しない。

 主人公アルファの、姿を現さないオーナーは一体何者なのか。年をとらないミサゴって何者? カマスは空を滑空してしまうし。生きている子供のような『水神さま』。奇形かと思える程に巨大化している植物(街灯としか思えない奴は、夜になると灯りもつける)。ずっと空を飛びつづけている「ターポン」とその中にいる「アルファ」。

 訳の判らないことは、判らないままに、それでもいいかなー…って思えてしまう。作者の言葉では『のちに夕凪の時代と呼ばれるてろてろの時間』。
カタルシスで、全部一気に文明が滅びてしまったり、ハードなサバイバル世界に突入するのがパターンな、「現在の文明がつまづいた先の世界」。こんな、ふんわりと、でも多分衰退していくんだろうなあ…と思ってしまう世界も、まあ、いいのかも知れない。

 ロボットたちは、そんな社会の変化を、変わらない姿でながめ続けていくんだろうなあ。
1巻では、行方知れずのオーナーを「ロボットだからいくらでも待ち続けられるから良かった」と云っていたアルファ。ご近所の人や、ロボット仲間や風変わりな旅人と知り合っていって、「今なら、オーナーを笑って送り出せただろうか」と悩んでいるアルファ。…だったら、ながめるのも辛いね。

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2004年5月20日 (木)

『淡つ江(あわつみ)御寮』 河村恵利

『淡つ江(あわつみ)御寮』 河村恵利 プリンセスコミックス 2003年刊

 「時代ロマンシリーズ」と銘打たれた、主に戦国時代が中心の歴史もの漫画シリーズの14巻めです。最新の15巻が出ていて、それを先に読んで、「お、14がまだだった」とネットショップで注文したのが、今日届きまして、早速読んでしまいました。

 同じくらいの時代のものをまとめてあることもありますが、基本的に読みきり作品集。この本は、於市の方の一編を含めて、残りはその娘の3姉妹の中の三女のお督(おごう…だけど、「とく」でなきゃ変換できなかった。誰だよ…こんな字でこんな読ませ方させようって考えたのは)の、三度の結婚をテーマに。

 この作者は、秀吉が好きなようで、どの作品でも、基本的にいい人系に描かれています。逆に、家康ってば、極悪人ですよー(笑)。遺憾なくそのキャラが出ています。今回、家康、ばち当たってるし。

 おごうが三度結婚したというのは、エピソードとして知っていたけど、『三度目のだんながいい人だったから、この人はこの時代の女性としては幸せな生涯だったといえるんだろうなあ…』なんて、なんとなく思っていたけど。一度目、二度目もこんないい男性で…その度に、権力者の思惑や病魔で引き剥がされたのだとしたら、結構きついかも~。大野与九郎や、羽柴秀勝が、本当はいやな男だったら、安心して徳川秀忠のもとでぬくぬくとしていられただろうなあ…。

 秀勝との別れのエピソードを見たら、「『遠野物語』だ~♪」 あちらは白馬だけど、こちらは猫だ~♪
 河村さんも、あの映画見たのかなあ…。いや、遠く離れた恋人同士が夢の中で出会う…なんてエピソード、考えつきやすいものだろうけど。でも、大好きなあの映画(ほぼ、一度しか見ていないんで、忘れかけている…・泣)思い出して、しんみりしてしまいましたよ。

 河村さんのキャラは、『若らしくない』『姫らしくない』タイプが多い中、珍しく、於市の方の三姉妹は、お姫様だな~。
戦国の姫としてのさだめを、理解はしていても、納得はしない。女を道具としてしか見ていない(と設定されている)家康を静かに憎みつづける…。
『おごうは次男贔屓で、長男の乳母の春日の局と対立する。家康は、孫の世継ぎ問題を解決する為に、次男を邪険に扱う』という、世に知られたエピソードを、「そうか…こうアレンジするか…」と思わずほくそえんでしまいそうです。

 戦国時代は大して好きじゃないんだけど、翻弄されながらも凛として生きる女性はいいなあ…。

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2004年5月18日 (火)

『美智子皇后物語』 文月今日子・[原作]河原敏明

『美智子皇后物語』 文月今日子・[原作]河原敏明 講談社 1994年刊

 別に、ワイドショーの皇室ネタファンでもないです。文月さんが好きなだけ。珍しいものも描くもんだ、と感心して買った覚えが。丁度、皇太子のご成婚のあたりですね。美智子妃の半生記として、皇室ジャーナリストの河原氏のいくつかの著書をもとにして、文月さんが構成したものだそうで。

 実在の人物、それも皇室の話となると、構えてしまったり腰がひけたりするかなあ…と思ったけど、いつもの文月さんだ…とうれしかった。
似顔絵にするつもりはなくて自分のキャラクターとして描かれているけど、それでも「ああ、雰囲気出ているなあ…」という絵があって、そういうのを捜しながらながめるのもまた一興。
皇室の話題の時にワイドショーなどに顔を出す元侍従長の浜尾さんも、若い姿から出てきます(笑)。

 終戦の後に、当時の皇后が皇太子に向けて書いた手紙の中の一文、「B29は残念ながらりっぱです」というのに、当時の複雑な状況や心情が表れているなあ…。

 今上天皇の皇太子時代の、学友とのちょっとした冒険のエピソードなど、皇室を普段から興味深く眺めている人にしてみればよく知られたことなんでしょうけど、「ほー。あの人もそういういたずら心がある人なのか」と面白かったし。

 『テニスコートの出会い』は有名だけど、まさか、ダブルスで対戦して美智子さんの方が皇太子組に勝っていたなんて、知りませんでしたー!(笑)。
美智子さんは、民間出身とはいえ大企業の社長令嬢で、『お后候補』の中にはリストアップされていたらしいから、これは偶然ではなく仕組まれた出逢いだったのかも知れないけど(この本ではそのあたりはどっちだったとははっきり断定出来ない雰囲気で描かれています)、惹かれていくさまは、文月さんの漫画だと判っていながらも、「本当にこうだったら、純愛よねえ…」と感動しそうです。

 しかし、当時は民間出身などとんでもない、という風潮が厳然として存在する。いや、候補か?!と騒がれた時に美智子さんのお父さんが心配する妻に云う、「心配ないよ。我が家は皇族でも華族でもないんだ」というセリフが一番当時の社会を表しているし。

 皇室内、そしてその周囲を取り巻く女性方の反発が激しい中、婚約成立から、有名な『失語状態』まで、まるで女性週刊誌に連載されているもののようで。

 これを読むと、この風潮がそのまま皇室周辺、宮内庁に残っていても全く不思議ではないし、昨今話題になっている『雅子さまのキャリアや人格云々』という話は、つまり、『世継ぎ優先が当然』というのが、言葉にしなくとも暗黙のものとして厳然として存在しているんだろうな、ってことですよね。宮内庁だけじゃなくて、可成の割合の国民の意識の中にも。疑問にも思っていなかったことを持ち出されて、途惑ってすらいるのではないだろうか…と思ったりして。

 美智子皇后の場合、皇太子が早々に生まれていたから、世継ぎプレッシャーはそれほどひどくはなかっただろうけど、でも、四十数年前の最初の民間妃ですから、すべてがプレッシャーだったんでしょう。あの人が力強く切り開いた道を、雅子さんや紀子さんたちが歩んでいるんですねえ。

 私は、天皇制を諸手を上げて賛美するタイプの人間ではないけど(というか、もしも見かけたとしても、「キャー!」なんて手を振りたくない…という方面で距離を持ちたい)、漏れ承るご様子は、人格的に尊敬できる人達だなあ。こういう人達が国の象徴とされるのなら、まあ、いいんじゃないか…という気分にさせてもらえます。

 ここに描かれている『正田邸』がもう存在しないことは、実物を目にしたこともないのに、なんだか淋しく感じます。

 もう二十年ほどしたら、雅子さんを主題にこういう作品が描かれるんでしょうねえ。

 しかし、「おたたさま」「おもうさま」が現役の言葉として存在しているとは!

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2004年5月 7日 (金)

『花よりも花の如く』 成田美名子

『花よりも花の如く』 成田美名子 花とゆめコミックス 現在第2巻

 近年、狂言界はなにやらブームでにぎわっておりますが、能はと云うと、相変わらず古典芸能でとっつきにくさ満開。そんな能を舞台にした少女マンガ…って、今までにも時たま見かけましたが、どれも、「伝統」「家元」「骨肉」のおどろおどろしさの為の舞台装置だったりしましたが、これはそういう部分がカケラもありません。

 能を家業にする血筋に生まれて、強制されてではなく自分の意志でその道を進んでいる青年のお話で。成田さんも必死で能を勉強しながら描いているんでしょう。主人公の真摯で真面目な姿勢に現れている…ような、成田さんの主役級の常か…(それが結構好きなんだけど)。でも、それ以上にマイペースなキャラだから煮詰まりはしないけど。あ、成田さんの主役キャラの中では一番地味かも(笑)。

 巻末のメイキングで、細かな決まりごとを描く苦労がしのばれます。

 それと、第2巻のなかに、ちらっと私の住んでいる町の名前が出てくるのがうれしいっす♪ (地図の中ですけどね。比良山系のいい滝、知ってまっせ~♪)

 キャラや舞台が一部かぶっているので、『NATURAL』のキャラがちょくちょく出てくるのが懐かしい♪

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2004年4月26日 (月)

『GUNSLINGER GIRL』 相田裕

『GUNSLINGER GIRL』 相田裕 DENGEKI COMICS

 現在、3巻まで出ているようです。

 アニメをやっていることは知っていましたが、「また美少女系か」ってな気分で興味はありませんでしたが、息子が持っていたので、原作マンガを読んでみましたが…。

「…やばいんでないかい?」

 これ、子供が読んでいいのか?

 エッチ系じゃないんですけどね。ローティーンと思われる少女達がいっぱい出てきて、それぞれ『教官』の様な立場のおにーちゃん(おっさんに入りかけているタイプも)と組んでいたりしますが、決してロリコンの気配はないし。

 だけど、『表向きは政府主催の障害者支援事業だが、その実態は国中から集めた障害者に試験的に機械の身体を与え、「条件付け」と呼ばれる洗脳をほどこすことで、政府の為の汚れた仕事を請け負う特殊な情報機関』が舞台なんですよ。

 少女達は、罪悪感も疑問も持たずに、指示された殺人をこなしております。『仕事』です。まあ、だいたい反政府組織と戦っているようですが。それにしても、「パートナーの役に立ちたい」と、薬で洗脳された少女が健気に、しかし最強の暗殺マシーンとして銃を振りかざす姿は…怖いと感じます。

 …でも、面白いんですよ。困ったことに。

 これを、疑問もなしに読んでしまう子供には絶対見せてはいけない気がしますが。

 この少女達の哀しさを充分に理解して読めば、引き込まれます。

 3巻には、ポリシーを持った敵やら、少女たちのような「飼い主のまま」な暗殺者の青年も出てきて、今後の展開に期待できます。…が、2巻くらいまでしか出ていない段階でのアニメ化は、どうだったんだ? ビデオにとってあるはずだから、見てみようか。

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2004年4月 9日 (金)

『銀流沙宮殿』 文月今日子

『銀流沙宮殿』 文月今日子

 好きなんですよ、文月今日子…♪

 出版年度や出版社が書けないのは、私が知る限りにおいて三回出ているから。

 はじめは、'84年にプチコミックで連載されたものが、そのまま小学館のフラワーコミックスで出まして。
それ読んでほれ込んだせいで、文月さんが執筆の拠点を宙(おおぞら)出版に移して(移しきってはいないかな。『ミラノこれくしょん』は小学館系だし)、新作を出すと同時に過去の作品もフォローして新たにその出版社から出す…って、最近良くありますよね。それが'96年のミッシィコミックス。

そして、その宙出版が2000年頃に、「文月今日子選集」全十巻としてA5サイズのシリーズを出していて、それの最終巻が、「銀流沙宮殿」でした。
さすがに、その作品のほとんどを持っているので、四ヶ月で800円十冊はちときつい…と、四冊しか買っていませんが。銀流沙は、うっかり手に入れそびれてしまいました。まあいいさ、二冊もあるし(笑)。でも、太刀掛秀子の『はなぶらんこゆれて…』は、三種類持っていたりするんですが(笑)。

 銀流沙の舞台はパルミュラです。歴史の教科書にチラッと出てくる世界と時代のお話で。最近、大変不安定な情勢になっている中東。ここいらは、紛争の歴史ですねえ。
ペルシャとローマが派遣を争っていた中で、交易を武器に独立を何とか保っていた都市国家パルミュラを、最盛期に導き、そして滅亡させた女王ゼノビアが主人公。

 本当は、どんな生き様だったかなんて、文献が伝えるわずかな記述では判るはずもないんですが、そのわずかなものを元にどれほど壮大なほらがふけるかが、歴史ものの醍醐味です。

 実際、ゼノビアの最期は、文献によって、「ローマに連行中に死亡」というものと「余生を子供達とローマで平和に送った」ととんでもなくかけ離れているものですし。
ん~。日本ならよく、「義経生存説」とかのように、『実は生きていた』というネタはあるんですが、ゼノビアの場合、そんな風に「贔屓したい」と考える立場の人たちがいるとは余り思えませんから、本当に、よく判らないんでしょうねえ。ゼノビアは割りと有名だったとはいえ。

 そんな女性の生き様を、わずかな文献を頼りに、壮絶なドラマに仕立て上げる文月さんは、デビューして二年足らず(だったと思う)で『エトルリアの剣』を描いてしまった人だし、そうとう歴史ドラマが好きなんだろうな~と思うんだけど、「何年かに一度描きたくなる悪い病気が出る」そうで、最近は軽い恋愛ものが中心で、私としては少々物足りなく感じたり。また描いて欲しいな~。
SFも! 「クレドーリア621年」は面白かった!

 この舞台のパルミュラ。「パルミラ」と表記されることも多いけど、私的には「ミュ」希望。
現在はシリアのはずだけど、コミックスにあった地図では、当時の都市との位置関係だからバクダットの左斜め上あたりに描かれていて、国境線なんてないし、ああ、アラブの地続きで、同じ文化圏なんだよなあ…と実感しました。判っていることですけどね。現在の地図で見ればきっぱり国が分かれているじゃないですか。

 いつか、あの壮大な列柱道路の遺跡で夕陽を眺めてみたいけど…確実に水が合わないだろうから中東なんて旅行することは絶対に無理だと諦めて、本や旅のドキュメンタリーなどをながめております。

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2004年4月 2日 (金)

『観用少女(プランツ・ドール)』 川原由美子

『観用少女(プランツ・ドール)』 川原由美子 眠れぬ夜の奇妙な話コミックス

 この話が好きだと思うと、なんか、背徳ぎみな気分になってしまう…。

 “プランツ”って訳で、“観葉植物”の発展形…と思えばいいんでしょうか…。

 少女の形をしている植物。しかも、動く、笑う、ミルクを飲む。…ロリータ趣味満開でんがな状態(笑)。
 愛情を注がなくてはしおれてしまう。歪んだ成長をしてしまう。
『生き人形』というのは、江戸時代に流行った、あたかも生きているごとく精巧な人形ですけど、このプランツ達は、『生きている人形』。

 少女達の方が、自分を幸せにしてくれる人を選び出すので、決して妙な趣味に走りたい奴のおもちゃにされる心配はなし。健全でよろしい(笑)。
 少女は、“愛情を注ぐものを必要としている人間”を感じ取る能力があるんでしょうねえ。

 その少女達の怪しい魅力に取り込まれた人間達のどたばただったり、しみじみだったりの人間模様のオムニバス。
 愛らしい少女は、ただ愛らしいだけなのに、ただ、愛情を与えてくれる人物へ微笑み返すだけなのに、人間は、天国に上ったり、ものの見事に転落していったり…。

 切ない話もいいけど、「空中庭園」や「天使の役作り」といった、前向きにあっけらかんとしているものがナイスです~。

 ちょっとお耽美調で、ゴスロリのような格好した美少女と禁断の愛を展開しそうになったり(展開したり)するけど、川原さんの作品の基調はスラップスティックコメディで、その味をふりかけてありまして、いくらでも怖くて怪しい話しにのめりこませられる設定なのにそうはせずに、うっすら切なくて怖い…といった程度にとどめているところが、私のつぼ、です♪

 ゴスロリは…似あう人にやっていただきたいもんですな~。

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2004年4月 1日 (木)

『華の王』全3巻 市川ジュン

『華の王』全3巻 市川ジュン あおばコミックス

 1993年に、スコラレディースコミックスから第一巻が出たっきり…続きを見ないなあ…と思いつづけていたら、昨年、二巻を見かけたんで、買ってみました。

 本のサイズも、厚みも違って、多分そうではないかなあ…と思っていましたが、やっぱり、「第一巻の終わりから、話が飛んでいるじゃないか…」

 で、改めて、あおばコミックスの第一巻を買ってみたら、やっぱり、195ページ目までは、昔出た部分で、残りの267ページまでははじめてみる部分でした。やっと話がつながった。

 あとがきによると、1巻が出た後、発行元の会社が倒産したそうで。
 でも、「北条政子主役の時代ドラマ」なんて、ものすごくマイナーな、中断した作品を、出版社を変えてよく描き続けてくれた…と感動ものです。

 「うわなりうち(後妻打ち)」のエピソードは知っていたけど、京と違う東国武士の文化、習俗が背景にあったんだねえ…。怖い奥さん、と思っていたけど、なんだか、「京の一夫多妻が当たり前の感覚の頼朝」と「東国武士の一夫一婦を貫きたい政子」の意地のぶつかり合いだったのかなあ…。

 私は、時代もの好き…というか、歴史もの好き。
 「時代もの」というと、「時代劇」を連想して、「江戸時代限定」のような気がしてしまいます。もっと古い時代のものは「歴史もの」という気が…。ちゃんとしたジャンル分けがあるのかどうか知らないけど。

 江戸時代は、それほど興味ないんです。大河ドラマの戦国ものなんて、もう、見る気も無い。
 大好きなのが、飛鳥、奈良時代。そのあたりの小説やマンガを読んでいたら、ずるずると平安時代に突入してしまいました。
 でも、それでもなかなか鎌倉時代とか、室町時代を扱ったものはなかった…けど、永井路子の『銀の館』とか、マンガでは河村恵利がよくこのあたりを書くし、何より、大河で『北条時宗』やったし。渡辺謙、渡部篤郎、柳葉敏郎っつーものすごい顔ぶれのせいで、全部録画してしまった…。で、まだ見ていないんです、始めの方しか。…主役の演技に、入り込めなくて…。

 まあ、そんなわけで、最近は鎌倉時代あたりも守備範囲かな…。判るというより、好きになってきました。

 頼朝の死後の話がほとんど無かったのが、ちょっともったいないです。夫婦の話として作ってきたからか、切られてしまったのか…。
 まあ、あの後の話といえば、息子達を切り捨てるようなものだから…描きにくいか。

 この話は、「歴史」と構える必要なくて、市川ジュンお得意の、『女性の生き方』ものとして楽しめます。大正モダンのお話も大好きです♪
 淀君が、政子程に賢くて時代を作ろうとする女性であったなら、もしかしたら江戸時代は無かったのかもねえ…なんて「もしも」を考えてしまいます。でも、戦国時代は、すでに、女性に政子ほどの立場を与えてくれていなかったし、しかたないか。

 考えてみれば、平安時代だって、女性の正式な名前が伝わっていなかったりするし。
 飛鳥や奈良時代には、もうすこし女性が力を持つというか、歴史の舞台に「母親」とか「妻」以外の立場で顔を出していたように思うんです。
 政子も、京に生まれなかったからこそ、自分の力を発揮できたんだろうなあ…。

 ちょっと、「鎌倉、行ってみたいなー」なんて思ったり。

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2004年3月30日 (火)

『サトラレ』 佐藤マコト 

『サトラレ』 佐藤マコト イブニングKC

昨日は、息子の高校の教科書を買いに行ってきました。
…私が唯一、読む気が無い本だわ…。あ、歴史はのぞく。
入試の解答速報を見ていて、歴史が壊滅状態だった息子に、一から叩き込んでやりたい。でも無理ね、年号はかけらも覚えてないから。794と1192だけしか判らない~。壬申の乱って645だっけ?

で、昨日買った本は
『やじきた学園道中記 23』 市東亮子
『華の王 3』 市川ジュン
『月虹伝書』 立野真琴
『サトラレ 5』 佐藤マコト

時代物が半分。時代がかったものがひとつ(笑)。

~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~

『サトラレ』 佐藤マコト イブニングKC 現在6巻まで

 先日、買い逃していたことに気付いた5巻を入手しましたので、5、6一気に読みました。
やっぱり、いいわあ…。

 もともと、映画を先に見てしまったんです。スタッフが『踊る』の人…というのと、鈴木京香が出ているのが理由で。
で、すっげー、感動ー!
八千草薫がおばあちゃんー! などと妙なことで盛り上がってしまったり。
原作マンガをその後に読みました。
これ、逆のパターンだと、原作に思い入れありすぎて、映像化が納得できないことが良くありますけど、映像が先だと大丈夫ですね、ほぼ。映画やドラマが気に入って、原作が面白くないってパターンは余り無い…と思います。そんなの、余程演出のアレンジが上手いってことで…つまり、原作に魅力が余り無い…って、そんなのが映像化されること無いし。まあ、「趣味に合わない」というパターンはあるか。

映画は、一人の主人公だったけど、この原作マンガでは「サトラレ」という、「思考が垂れ流し状態、なおかつ天才」という妙な「病気」を持ったキャラクターが複数存在しているオムニバス形式です。たいていのキャラが複数回主役張っています。
映画は、この原作の軽妙さと、時々鋭くつぼを突いて泣かしてくれる絶妙の配分を上手く描いていたと思います。原作での複数主人公のエピソードを上手く一人にまとめたし。

…しかし、スポンサーの自動車メーカーの為に、カーチェイスシーンもどきを妙に大きく押し入れたのが、違和感だったかなあ…。
大感動の、おばあちゃんの手術後のシーン、ハンカチ出動しました。『ラストサムライ』にはひいてしまって泣かなかったけど。

で、原作。
これは、やっぱり、SFなんですかねえ…。
テレパシーの逆パージョン。相手の心を読む、自分の思考を伝える、のではなく、自分の思考を周囲に垂れ流してしまう人間。
…これって、怖いですよねえ。自分がそうだったらどうしよう…と読み終わったときに、ふと考えてしまうこともあり。

『サトラレ』では、その病気を抱えた人間が絶対に天才だから、国家ぐるみで保護して社会生活を何とか送らせようとしている。
SFで、エスパーがその特異能力が故に迫害を受ける…というのは、昔から定着しているものですが、この『サトラレ』は、その分野の新たな形態では…?
保護されているとはいえ、天才的な能力を有しているとはいえ、彼らは基本的に不幸です。
その、別な形の「迫害を受ける異端者」というこの作品。地味っぽいけど、すごいです。
単純に、「すっげー面白いマンガ」でもありますが。

不幸だけど、その不幸を知らないサトラレたちも、不運にも自分の能力を知ってしまって社会と断絶してしまったサトラレたちも、なんとか前向きに生きていますから、救われます。
基本的に、厭世的なくらーいムードになって当然のテーマで、コメディタッチでほろりとくる話を作ってしまう作者は、それだけで終わらせない『悪役』も配置していて、「やるなあ…」と続きを期待させられます。

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2004年3月25日 (木)

『フロイト1/2』 川原泉

『フロイト1/2』 川原泉 花とゆめコミックス 1990年刊

 最近の文庫ブームで、もしかしたらすでに文庫化されているかも知れませんね。

 最近、なんとなく、川原泉を読み返したくなりまして。

 デビュー作から通して読むと、最初の頃の未熟さが次第にいい味に変わっていくのを実感できましたな。なんて、えらそうに、批評家みたい(笑)。

 しかし、二十年程前は、あまりその欠点を感じていなかったんですけどね。

勢いに押されて? いや、川原作品には『力強さ』ない。
とゆーか、無意味で気だるい、なのに読んでいる者を巻き込む力がありましたけど、それは、どかーんと「さあどうだっっ」と押し付けがましく訴えかけてくるものではなく、「良かったらご一緒に惚けましょう」といったムードですけど。

 この、『フロイト』あたりで、一番見事に「川原ワールド」が結実しているように思えます。要は、「好き」って事なんですけど(笑)。

 いい人がほのぼのしてくれるのは安心できます。

 川原作品を読み返したくなったのは、先日の「大学生遭難事件」の時に、「川原作品に、『捜索費用で借金地獄』というエピソードがあった」というのを耳にしまして、「ああ、そういえば、見たなあ…」と思って、しかし、どの作品だったかさっぱり思い出せなくて、はじめからいきました(笑)。
…新しいものから読んだら、すぐだった…。

 今描いている『ブレーメンII』も微妙な味わいです。
息子が、「宇宙人のリトル・グレイってどんなの?」というので、典型的なものを見せた後で、「こんなのもある」とこいつを見せてやったら、絶句しておりました。「夢を壊すな…」と。

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2004年3月23日 (火)

『のだめカンタービレ』  二ノ宮知子

『のだめカンタービレ』  二ノ宮知子

今日は、息子と『イノセンス』を観てきました。ん~、頭の中に哲学の本突っ込まれてぐるんぐるんされた気分だ…。でも、面白かった♪

で、あのシネコン行ったら、絶対同じ施設内の本屋に行ってしまうので…

買っちまった(もしくは、ゆーわくに負けた)本

『鋼の錬金術師 7』 荒川弘
『のだめカンタービレ 1~7』 二ノ宮知子
『時代ロマンシリーズ15 西の京墨流し』 河村恵利
『海を見ていた犬』 安孫子三和
『超少女明日香 学校編 3』 和田慎二
『刀神妖緋伝 5』 新谷かおる
『サトラレ 6』 佐藤マコト
『ヴィラ・マグノリアの殺人』 若竹七海
『名探偵は密航中』 若竹七海
『交通事故のミステリー 鑑定人江守一郎の事件簿』 江守一郎

財布は淋しいけど、心はホクホクっす♪
でも、『サトラレ』5巻買ってない~! 時代ロマンシリーズも14買ってない~! 『超少女明日香』も2巻買ってなかった~!

~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~

そんなわけで

『のだめカンタービレ』 今のところ3巻まで読みました。

 新聞の読書欄の書評とか、ネットでの評判で、可成期待して買ってしまいました。

 で、今のところ…うん、面白い。

 でも、だんだん「変なのだめという女の子」のキャラが、周囲のもっと変人達に埋没していくようです。

 千秋くんの立場は、『動物のお医者さん』のハムテルですよね。
だったら、『動物の』の方が面白いし。

 まだあと四冊ありますし、楽しみに読みたいですね。そこそこすごい作品だわ、と思います。

 これは…期待をかけすぎた自分が悪いっすね。充分に面白い作品にめぐり合っているのに、もひとつはじけてくれ~と思ってしまう。

 まあ、趣味にどかーんと突っ込んでくれるかどうかは、個人差が激しいから、しかたないっす。

 で、明日あたり全部読んでて、「すげー」ってなってたりして(笑)。

 そーいえば、音楽をテーマにしたマンガと云えば、『いつもポケットにショパン』『まみあな四重奏団』などと思い出されますが、余りコメディはなかったですね、多分。
…いや、読んだ気もする…。でも、駄目。あの二つしか思い出せないのは、インパクトが余りに強すぎるからか…。
たくさん読んでいる気がするのに…。ざるだなあ、やっぱり

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2004年3月22日 (月)

『ツバサ』『xxxHOLiC』 CLAMP

『ツバサ』『xxxHOLiC』 CLAMP 講談社

 「おかーさんは、昔、CLAMPのメンバーだった人と同じヤマトのファンクラブに所属していたことがある」というと結構「すげー」という目で見る息子がおります(笑)。
サイン帳に直筆のイラストも描いてもらった事あるし。

 「友達の友達の友達で全国制覇できる」ということの実例かも(笑)。

 『聖伝』で初めてCLAMPの存在を知った時、そのメンバーに知った名前があったのを見たとき、驚きましたねー。
 その「秋山たまよ」さんは、「聖りいざ」さんと同様、CLAMPを離れて独立されましたが。
 まだ関西にいらした頃、秋山さんと、今もCLAMPの中核の大川さんとで、「キャプテン翼」の同人誌を出す計画のチラシを受け取ったこともありました。確か、松山と三杉が描かれていたなあ。まだあのチラシ、持っているかも。結局同人誌は発行されなかったようですが。

 で、その懐かしさと、話のおもしろさでCLAMP、結構はまりましたねえ。幼稚園児と小学生の恋愛模様で泣かされたり(笑)。

 時は流れて、いまや、息子が表題の2作にはまっています。
 毎日CLAMPのサイトをチェックしていますな。なにやら通販で商品買ったり。…お前にその「イヤーカフス(だっけ)」は似合わんぞ。

 そりゃ、『レイアース』や『さくら』を録画したけどさあ…。なんでこんな少女漫画に興味もつんだよ、お前…と思っていたら、今度は少年誌に描くからなあCLAMP。はまるなという歯止めがなくなるじゃないか(笑)。

 CLAMPのすごいというか面白いとこは、一作ごとに画風を変えるとこですよね。器用だなあ…もこなさん。もちろん、猫井さんが描かれている作品もありますが。
でも、『ちょびっツ』の絵柄は『最終兵器彼女』を意識して真似ているようだし、「ホリック」の絵柄は「ワンピース」を思い起こさせるんですが…。それは別に構わない気もしますね。ほんとに、よくもまあ、こんなに変えられるなあ…という感心のほうが先に立って。

で、「2ちゃんねる」とかで見かけたことある、「話までがぱくり」というものすごいバッシングは、ああいう掲示板特有だとはいえ、つけこまれる余地もありか…?

ただ、設定は似ていても、上手くCLAMP流に消化されていると思いますけどね。
『ちょびっツ』なんて、その掲示板を見るまでもなく、新谷かおる氏のあの作品と同じ設定じゃないか…と思いましたけど。
『エンジェリックレイヤー』だって、もちろん『プラレス3四郎』を思い出さないわけがないし。

でも、考えてみれば、それらで「ぱくられている」と喚いている作品だって、完璧なオリジナルという訳でなく、それまでにもあった概念や世界や設定を焼きなおしている場合がありますから、どんな作品を作り上げるか、が問題なわけですよね。
それをけなすのは、ただ単なる趣味好み嗜好の世界で。

だから、結構今でも好きですよ、CLAMP。
ただ、息子の方が深入りしてるんで、ひいてます(笑)。ん~、大人は純粋に楽しめない。

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2004年3月21日 (日)

『由似、風の中で』 大谷博子

『由似、風の中で』 大谷博子 集英社YouComics

 30年程前の別冊マーガレットで、「星くず」シリーズに涙した人は多いと思います。
 その後も、「星ははるかなり」などと続き、由布子から由似へと主人公は移り、「由似へ」「由似、君の青春」で、高校生になった由似の姿を最後に、そのシリーズは一応の結末を見ました。

 しかし、それが再開されたことを知ったのはごく最近で。今、二巻まで出ていることを知って慌てて買いました。

 由似が、あの慎二くんと結婚するのは、時間の流れとして当然としても、かっこいいパパさんはやっぱりそれなりにかっこいい初老の紳士。…そして、おばあちゃんにも残酷な時間が流れていて…。

 でも、その家族を見守る視線は、やはり昔のままのこのシリーズ、そして、大谷さんのものです。

 三十年近く読み続けている数少ない漫画家さんで。安心して読めます。
 優しい人ばかりでなく、ずかずかと人の心に土足で入るどころか踏みつけていることに気づきもしない人種も良く出てきます。すかっとそいつらぶっ飛ばしてざまーみろ、と終わるのではなく、なんとなくそれでいいのか消化不良、という結末もありますけど、そういうものすら、いとおしく思えてきます。
もともと、この人の作風は少女漫画の範囲で納まるものでなく、エレガントなレディース系で発表されるにふさわしいものなんでしょうね。
 昔の「星くず」シリーズも、集英社文庫で出されています。
 ハンカチ片手にどうぞ。

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2004年3月20日 (土)

『ドカベン プロ野球編 52』 水島新司

『ドカベン プロ野球編 52』 水島新司 少年チャンピオンコミックス

 そう来たか~、水島新司!!
 ただいま、ひたすらびっくりしております。

 気がつけば、プロ野球編も50巻を超えてますな。
ただ、惰性で買っていたんです。1コマでも里中くんが出ている可能性があるから。

 山田たちがプロに入団して九年。FA問題なんですよ。
山田のあの活躍を現在の日本のプロ野球界で続けていれば、メジャーにチャレンジして当然。マンガだから、大リーグでも活躍して当然。
しかし、ドカベンをメジャーを舞台にして続けることには、はなはだしく無理があります。
だから、ここいらで「メジャーに旅立つ」で、完、かな…と思っていたんですが。

 そう来ましたか…。

 コミックスで読みつづけていらっしゃる場合は、以後の文を読まないで下さい。ネタばれさせます。




 山田たち、元・明訓と、そのライバル達、この年にFAをしそうな(いや、したのか)選手達で、パリーグにふたつ、新しいチームを作ってしまう、なんてね…。

 これで、実在の選手達にまじって架空のキャラたちがそのレギュラーの座を奪ってしまうという違和感もなくなりますし、丁度いい話ですよね。『野球狂の詩』でのように。

 私としては、「当然、里中くんの出番が増える! また、山田が里中の球を受ける!」というただこの一点で、今までの五十巻はすべて前ふりだったのよ!と納得できますわ!

 でも、まだまだ続ける気、ばりばりなんだなあ、水島さん。
 しかし、サチ子は、里中、岩鬼、どっちとくっつくんだ?

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2004年3月 2日 (火)

『名偵探柯南 VOL.8』 青山剛昌

『名偵探柯南 VOL.8』 青山剛昌 青文出版社 1996年刊

 75元だそうです(笑)。日本円だといくらぐらい?

 知人の、台湾土産でして。
「日本小學館授權台灣中文版」とありますから、海賊版ではなく、正式な契約のもとに出版されたものだと思います。
巻末には、「今後の刊行予定」として「GS美神」とか紹介されていますし。
「洛克人7代」っては、絵と総合すると多分、「ロックマン7」ってことでしょう。

 もちろん、私は「名探偵コナン」は、全巻買い続けております。

 この本の面白さは、『本物(日本版)のコナン8巻と比べる』ってとこに尽きます!

 まず、「探偵」と「偵探」ってとこが、自国の文化を主張されていますね。

 サブタイトルで見れば、『殺しの理由』が『殺人的理由』で「まんまやん!(笑)」。
いかにも「日本人が考える中国語」っぽくて、それが現実だということが笑えてきて。
『仮面の下』が『面具之下』…ん~。
ナイトバロンが剣道しているみたいだ。
『ついに見つけた!!』が『水落石出!!』―――中国語ではこういうんでしょうか。

 セリフはもちろん、全部翻訳されていますけど、書き文字がそういうわけにいかないのでどうするのかなあ…と思ったら、枠線と枠線の間に、解説があるんですよ。

「ハハハ:哈哈哈!」とか「アアア:呀阿阿ー!!」とか(本当は、「阿」の左に口がついているけど、表示できません)。「ドカバキボコ」が「拳打脚足易(最後の2文字、合体させてください)。

上から写植で貼り付けてしまっているものもあります。
ドアを開ける「ガチャ」が「喀口察(右の二文字、合体しています)」
「え?」が「口夷(これも合体)」。
「キョロキョロ」が「東張西望」、これはなんとなく判りますね。

ひたすらそーいうの捜して、「へえ~」と感心させてもらいました。

 確か、『はだしのゲン』を英訳して出版した時は、全部を裏返しにした画面にして(でなきゃ、あちらとは読む方向が逆ですからね)、登場人物がほとんど左利きになってしまったとか。
漢字文化だとそういう苦労がないから、出版も楽でしょうね。

ちゃんとした文化交流に役立っているのならいいんですけど。
台湾でしたっけ、上海か香港だったか、今、「日本語(ひらがな)ブーム」だそうですね。
流行のもとになったのは、マンガも一因なんでしょうか。

面白いのが、コナンの巻末にある「青山剛昌の名探偵図鑑」。
よりによって8巻で紹介されているのが「銭形平次」(笑)。
青山氏のカットは、愛しの大川橋蔵氏(氏の平次親分は、私の初恋♪)の雰囲気、出ています。
でも…台湾の人は、このヘアスタイルを理解できるかなあ…(笑)。
「神田明神下」が「神田明神(地名)」。そりゃそーだ、この文字が地名だと教えてもらわなきゃ判らないんだ。
「下」という言い回しの微妙なニュアンスは難しいです。
「切り火」を「火鎌:古時一種打火的器具」。
ん~、でも、日本の現代の若者には、この台湾の解説の方が判るかも知れませんね。

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2004年2月28日 (土)

『迷宮シリーズ』 神谷悠

『迷宮シリーズ』 神谷悠 花とゆめコミックス 現在29巻 

気がつけば、どえらく長く続いているシリーズですね。
「連載」などはしていないのに。
シリーズが始まったのは、平成三年です。

 作品中で流れている時間は数年だけど、読んでいる人間にはその倍くらいの時間が流れていたりします。
「サザエさん」なら判るんだけど、微妙に時間が進んでいると困ったりします(笑)。

 シリーズだけど、一作一作『華迷宮 桜屋敷の殺人』『愛迷宮 仮面の魔女』といった調子でタイトルが違いまして、おかげで、カバーの折り返しの、著者の本の紹介スペースが足りなくなって最近では「翠迷宮 月迷宮 夏迷宮」…と略されるようになってしまいました。

 タイトルが示しているように、推理ものの作品です。
異様に人懐っこい天然パワーの山田くんと、氷のような美貌と切れまくる頭脳、人を寄せ付けないたちのいかにも少女漫画な「綾小路京」とが事件に巻き込まれたりするんですけど。

 ん~。
「腐女子」系だと、すぐに危ない方面に突っ走りそうな取り合わせだけど、山田君が健全すぎて、とてもそっち方面への妄想が起きない…。
って、もともと自分がそっちのケが全くないからそう思うだけで、同人としてはちゃんと突っ走っている人がいるのかも知れないけど…。

 でも、最近山田君は、嫁さんもらって子供まで出来たし、娘にメロメロな親父ですけど。

 この作品が好きなのは、「推理ものが好き」だってだけじゃないんですよ。
確かに、そっちの出来もいいです。
でも、「人情もの」として、すごいんですよ~。
何度泣けたことか。
山田君の、一途というか、一直線すぎる勢いは、いつしか氷を溶かし…というのは、パターンですけど、もとからちゃんと備えていた京の人間味がうちから滲み出してくるまでの過程がちゃんと描けているので。
山田君のパワーはもちろん、京だけでなく、関わった人みんなを巻き込んでますけど。
犯罪を起こす人も切なかったりするんでね。

人間っていいなあ…と、犯罪を描いたマンガで思ってしまうんですよ。

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2004年2月17日 (火)

『鋼の錬金術師』 荒川弘

『鋼の錬金術師』 荒川弘 ガンガンコミックス現在6巻迄 

何となく、マンガと活字の本とを交互にしているので、今一番気に入っているのは何かな~と思ったら…。

 息子がいない間に、「月間ガンガン」をこっそり読むまでに墜落しているわたくし(笑)。

 面白いかどうかは、この日記の右上の方にある、「他の方の日記を読んでみる」で、日記を色々と巡ってみていただいたら判ります。《当時、別の日記に書いていた記事です》
アニメファンのサイト、この「ハガレン」か「ガンダムSEED」ばかりです。
「ハガレン」の方が、少し多いかな。
 「小学館漫画賞」まで取ってしまったし。
 アニメでも放送中ですから。
 …次の長者番付に『その他』部門で名前が出ること間違いないな。

 自分が読みたい息子に、「面白いから」と云われて5巻ほど出ていた時まとめて買ったのが、運の尽き(笑)。

 マスタング大佐などのキャラの設定に、どうしても「銀英伝」を感じてしまうのは私だけなんでしょうか…? エドとアルの関係も、ラインハルトとキルヒアイスみたいだしー。

 ラインハルトが、エドみたいに可愛げがあったらなー。
ヤン・ウェンリーに、マスタングの半分も野心があったら…などと夢想することもあり。
おや? 「ハガレン」と「銀英伝」とどっちを語りたがっているんだ(笑)。

 知り合いに、『はなげの錬金術師』という駄洒落ネタを聞かされて以来、まともにタイトルを読めなくなりました。言葉に出すと、もっと似ています。

だから、それまで「はがね」と略していたのを「ハガレン」に変えましたけど、でも、これって、若い方々のようでねー(笑)。
そこに入るのはためらいます。
だって、決して同人活動をしている若い子のようなはまり方はしていないのよ~。
全く『腐女子系』な思い入れはないです(こう云うんだそうですね、昔の『やおい趣味』のこと)。

キャラに魅力あるから、そういう形で入るのも無理ないと思いますけどね。
そういうの抜きで、話だけで勝負しても充分いけます。

 さて、先日買ってきた、今月号を取って来よう♪ 『スパイラル』も面白いっす♪

 今日はほんとは『ドカベン』にしたかったんです…。確か、里中くんの誕生日だったはず。
でも、語りだしたら止まらないのでやめ。

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2004年2月15日 (日)

『5愛のルール』 一条ゆかり

『5愛のルール』 一条ゆかり 集英社文庫 2003年

 このタイトルに聞き覚えがある方。
同年代です(笑)。

 本屋で見つけた時、思わず、「おおっ!」と口走ってしまいました。
 幻の名作、ついに文庫化!
 帯にも堂々とそういう文字が躍っています。

 連載が、「第一部完」という形で終わったっきり、二十八年。
 一度もまとめられたことのなかった作品が、ついに文庫として出てきた次第で。

 私が、「りぼん」を読み始めた頃に連載が始まって、すっごく大人びた世界と云いますか、当時の「りぼん」の読者層からは、絶対に外れていた作品が、途中で打ち切られたわけです。
自分は小学生でそんな事情を察することは出来なかったけど、当時の「りぼん」と云えば、陸奥A子、太刀掛秀子、田淵由美子をはじめとした乙女チック路線満開で、この作品は、「浮いているな~」と思っていました。
私自身、今でも一番好きな漫画家は太刀掛さんだったりしますから、格別、この作品に思い入れがあったわけでもないんですけど。

 でも、打ち切りのような形になったわりに、一条さんは、次に『砂の城』を描くんですから。
あの、おどろおどろしく、めくるめく愛憎の世界。
あれは人気が出たのか、編集部の圧力に打ち勝ったのか、最後まで描き切られましたよね。
だから、『5愛のルール』の第二部も、いつかは発表されるものだ…と思っているうちに、一条さんは『有閑倶楽部』を調子よく描き進められて…気がつけば三十年近く。

 で、去年、見つけたわけです。この文庫を。
うわ~。この頃の一条さんの絵柄が、実は一番好きだったりする~♪
で、買ってしまって満足して、中身読んでいなかった(笑)。
だって、覚えてるもの~。
1975年の作品だというのに。
それは、当時は、月に一冊、自分は「りぼん」妹は「なかよし」を買ってもらえて、一ヶ月間、読み倒しましたからね。
今みたいに、一回読んでそれきり、なんてことはありえないわけで。

あとがきに、描く予定はない、「第二部」のあらすじがありました。
もう、これで満足です。
長年の「宙ぶらりん」が解消できて、すっきりです♪
同じく、『便○状態』に悩んでいた方、二十九年前を思いだして一冊どうぞ(笑)。

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2004年2月13日 (金)

『百鬼夜行抄』   今市子

『百鬼夜行抄』   今市子    ソノラマコミック文庫

最近、何だか、繰り返し、こればかり読み返しています。
何故なんだろう。
京極夏彦もだし、もう、頭の中、化け物祭り状態(笑)。

化け物に好かれる体質…というか、「見える」主人公。
これがいなきゃ、妖怪や化け物が跳梁跋扈する(…うれしいなあ、こんな字も調べる必要がないなんて・笑)話は出来上がりませんが。
この作品の主人公は、好かれまくります。
見えるということは、力があるということなんでしょうね。
でも、対決しません。
やっつける力はまるで持ち合わせていない。

『幽遊白書』大好きです~。
だから、化け物と戦う話も好きですよ。
最近では『BREACH』なんていいですねえ。
『シャーマンキング』は戦う相手は「化け物」でこそないけど、似たような世界だ。
しかし、とことん戦って、その世界でのし上がったりしてしまう。
トーナメントにまでなって、「男の子は、お山の大将になりたがるのねえ…」と感心してしまいます。

で、『百鬼夜行抄』。
戦いません。
逃げ回ります。
ボディガードも一応いるけど、本当に危機にならなきゃ来ないし、いい加減だし、主人公、なんとか自力で脱しなきゃいけない事態も多々あります。

昔の人の、「怪しいもの」との付き合い方は、こんな感じだったんじゃないでしょうかねえ。
関わらない。
怪しい雰囲気は敬して遠ざく。
そういう知恵が失われて、やれ祟りだ、お化けスポットだなどということだけが一人歩きしている。

京極氏の作品は、「妖怪小説」だけど、妖怪は『解体』されてしまいます。
妖怪というのものは説明がつけられない不思議な事態を説明する為の『装置』である、と。
そういうものを生み出してきた文化を大切にすべきだと、少し前の「河童騒動」の時に、それはそれは怒っておられました。「遠野の河童は赤だ! 緑じゃない!」と(この点だけに怒ってたわけじゃないですよ)。

もともとの私の化け物系に対する理解と、京極氏の論旨はぴったりくるので可成惚れ込んだ部分がありますが。
だとしたら、化け物が当然存在するという前提で描かれているこのマンガなど、鼻で笑い飛ばしそうなものですけど、それでも結構のめりこんでいるのは…どこかで存在していて欲しい―――

―――なんて思ってはおりません(笑)。
こう見えても、わたくし、怖がりです。
幽霊、妖怪、化け物が存在していると本気で信じている人に、「どうしてあなたはそんなものがいると思いながら、普通に暮らしていられるんですか?!」と、ど真剣に問いたいです。
いないと思っているから、判っているから、面白がれる。
まるで、平和な日本で、戦争映画を眺めるようなもんでしょうか…。

まあ、そんな話はともかく。
『百鬼夜行抄』。
お化けも物悲しいです。
コメディを絡めながらも、物悲しい話などもあり。
「ぎゃ~」と怖がる類のものではありませんが、お化け話でほんわかするのもいいかも知れません。

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